【€R】鬼畜すぎて攻略できない。②【drm】【arsk】 (ページ30)

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『女の子なんだから、気をつけてね。じゃ、私行くから』
「…いや、…あ、うん」

ひらひらとその子に手を振り、別れを告げる。かなり声が低かったが、さほど気にしなかった。もしかしたらコンプレックスかもしれないからだ。それに今時、声が低い女の子がいても可笑しくはない。

それより、早く帰らなければ。文句を言われてしまうかもしれない。だが気分は最高だった。なにせ、あんな可愛い女の子を助けたんだから。

(“俺”、女の子じゃないんだけどなぁ………おもろいから黙ってたけど…)
(…まぁじで、なんか、ツボだわあの人。流石に面白すぎ)

『A様が帰って来たぞー』
「うぇーいおせぇー！」
「おーお帰り」
「A早くくれぇー！」
『はいちゃんと美味しいの買ってきましたからね～』

若干一名文句を言ってきたが、あえて無視を決め込みお菓子を出す。

「…なんかいいことあった？」
『可愛い女の子をナンパから救ってきて英雄になった』
「うーわ、まじかそれ」
『今気分いいから暴言何でも受け止められるわ』

本当に今なら何でも受け止められる。するとだるまさんが口を開いた。

「やーいバカ！アホ！カスカスゥ！！」
『だるまさんあんた表出ろぉ！！』

どっと、笑いが溢れる。流石に言いすぎだそれは。だるまさんは腹を抱えて笑い、きなこは堪えるように笑い、バニさんは早速買ってきたお菓子に手を出しつつ、笑っていた。