168話 ページ25
結局、大きなイルカのぬいぐるみを買い、私に渡してきた。本当に迷惑だ。片手にはバックとぬいぐるみ、もう片手はショッピが手を繋いでいる。
『……』
「せんぱい、綺麗っスよ」
本当に、無理。ああ、早く帰りたい。帰らせてくれ。
「せんぱい、…んふ……アー…このあと、何しますか？」
数時間後。気味が悪いくらい、ニヤニヤするショッピに寒気を覚えた。何しますか、だと？帰りたい。帰宅一択だ。
『帰りたい、…』
「…そうすか…ふぅん……」
口元を手で覆い、何か考える素振りを見せるショッピ。帰りたい。大にも弁解しないといけない。そのための策も考えなければいけないのに。
「じゃあ、帰りましょうか」
『…え？』
「家まで、送ります、よ？」
まさかこんなにもあっさり帰してくれるとは。家まで送られるのはあれだが、帰れる。喜びを顔に出してしまうところだった。
『そ、そうだね、帰ろう。途中、まででいいから』
「ちゃぁんと家まで送るから、大丈夫っすよ」
帰れる。やっと、帰れる。このまま何事もなく帰れそうだ。やった、やったぞ。喜びに満ちていた。そう、水族館にいるまでは。
最悪、最悪最悪最悪最悪最。喜びから一転し、絶望に変わった。今、私は家の近くの公園の公衆トイレにいる。
何故？ショッピに襲われかけている、からだ。本当に、最悪。死ねばいいのに。気持ち悪い、最悪。順調に帰れていたのだ。途中までは。手は繋がれたまま、スマホも奪われたままの状態だったが。もうすぐで家に着く。やっと、という時に、ショッピが口を開いた。
「せんぱい、ちょっといいすか？」
『………なに？』
「スマホ、返したいのもやまやまなんですが、……返してほしいです、よね？」
ぎゅっと手を強くて握られる。気持ち悪い。はぁ、と小さなため息が溢れた。静かにこくっと頷くと、ショッピは私の手を引いてどこかに連れていこうとした。
そこは人気のない、公園だった。時刻は私の覚えている限り、19時を回っていたと思う。夏だからまだ明るかったが、子供は帰る時間で誰もいなかった。何故か、トイレまで連れていかれた。
そして今に至る。嗚呼、コイツ、死なないかな。私は自分の口を守るのとヤツの手からの抵抗に必死だった。
『や、…やめ、…!!』
「大丈夫っスよ、キス、するだけなんで」
トイレでキスとか、最悪だ。
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ゴマ(プロフ) - baoningsen721さん» 生かせるように頑張らさせていただきますね💪 (2023年1月21日 11時) (
レス) id: 048acd4b1b (このIDを非表示/違反報告)
baoningsen721(プロフ) - 死ぬな！頑張って生き延びてくれ夢主！ (2023年1月16日 21時) (レス) @page50 id: c27f08a57c (このIDを非表示/違反報告)
ゴマ(プロフ) - けんまおし1016さん» ヤンデレは本当にいいですよ☺️ぶっ刺さってよかったです。これからのんびり更新となりますが最後までお付き合いよろしくお願いいたします🙇 (2023年1月1日 23時) (レス) id: 048acd4b1b (このIDを非表示/違反報告)
ゴマ(プロフ) - ヤンデレっていいよねさん» そう言ってくださるとモチベに繋がります✨応援もありがとうございます！ (2023年1月1日 23時) (レス) id: 048acd4b1b (このIDを非表示/違反報告)
ゴマ(プロフ) - コジャケｴｴｴさん» お褒めいただき光栄です…！感情移入出来るようにこれから頑張りますね💪 (2023年1月1日 22時) (レス) id: 048acd4b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴマ
| 作成日時：2022年9月19日 19時
