184話 ページ8
『ぞ、ゾムさん…？』
私が顔を上げれるだけ上げ、ゾムさんの顔を見る。フードと路地裏で暗いせいか。あまり顔が見えない。余計に、怖い。
すると、ゾムさんは片手で私の両腕を離さないように固定し、もう片手をお腹周りに巻き付けた。突然のことで身動きが取れない。
zm「っ、何で、らっだぁなん。何でなん」
『…ゾム、さ…ん？』
zm「ずるい」
『……っひ、…ぁ、…ゾムさん、…!?』
彼は私の耳にかぶりついた。情けない声が出てしまった。同時に、悪寒が走った。前にらっだぁに似たような事をされたが、それとはまた違う。ぞわぞわと、恐怖が蝕む。
zm「……なぁ、何で、らっだぁなん？俺じゃ、ダメ？」
と、幼い子が親に玩具をねだるように、無邪気に訪ねてきた。絞り出すように声を出す。恐怖で声が思ったように出ないのだ。
『っ、……ら、らっだぁのこと、…好き、だ、から、………』
zm「……………そう、か、……」
この返答が良かったのか。ゾムさんは私を解放してくれた。彼は顔を下に向けたまま、口をゆっくり開いた。
zm「…ほんまに、俺じゃ、ダメ…？」
ゾムさんは力弱くそう言った。そして私はそれに応えた。
『…ごめん』
鞄を強く握り締め、私の気持ちをそのまま伝えた。そしたら彼は、驚く行動に出た。彼はゆっくりと私に近づく。次は何をするのか。身構えていると、頬を両手で掴まれ、ぐいっと引き寄せられた。
『……へ、？』
zm「まぁ、諦めるとは言ってないからな！」
頬に柔らかい何かが当たった。それが唇と言うことに理解するのに時間はかからなかった。先程の寂しそうな態度が嘘のように、ギザギザの歯を見せて笑った。
zm「じゃ、俺、そろそろ行かんと班長に怒られるから！またな！」
と、手を振ってそのまま私の元から去っていった。顔に熱が集まる感じがした。ぶわっと、爆発したような感じだった。
『…………嘘じゃん』
虚しく、路地裏で私の言葉は飲み込まれた。
.
この後、らっだぁ達に何処に行っていたのかと、こっぴどく怒られたのは言うまでもない。
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ゴマ(プロフ) - ？？？さん» わぁ…！素敵です！イメージ通りです…！faありがとうございます！応援もありがとうございます✨活力になります💪 (2022年8月16日 19時) (
レス) id: 048acd4b1b (このIDを非表示/違反報告)
？？？(プロフ) - そして応援してます！ (2022年8月16日 17時) (レス) id: 906e78d5e1 (このIDを非表示/違反報告)
ゴマ(プロフ) - 綿菓子さん» 閲覧ありがとうございます！もう夫婦ですね……続編に移させてもらいます！もうしばらくお付き合いよろしくお願いいたします☺️ (2022年8月15日 18時) (レス) id: 048acd4b1b (このIDを非表示/違反報告)
ゴマ(プロフ) - ロシエ★さん» 出来ますね。夢主が何とかする筈……応援ありがとうございます✨ (2022年8月15日 18時) (レス) @page50 id: 048acd4b1b (このIDを非表示/違反報告)
綿菓子 - 投稿ありがとうございます！うーん色々と解釈一致。rdと夢主もう夫婦では…？あ、そうか夫婦か。続編楽しみに待ってます、早く幸せになってくれ！結婚式には呼べよな！応援してます！ (2022年8月15日 0時) (レス) @page49 id: f3ac384fdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴマ
| 作成日時：2022年4月26日 21時
