無個性がヒーローになるまでの物語 II (ページ36)

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86:The仮免試験⑥ ページ36

目良「ヴィランにより大規模テロが発生。規模は○○市全域。建物倒壊により傷病者多数。道路の損壊が激し＿＿＿」

部屋がなんか開いて僕はA組の1番後ろを走る

しばらく走った頃だった

「ぅ＿＿＿＿だ＿＿ぁ＿＿＿＿＿ぃ＿＿＿＿」

小さな声で助けを呼ぶような声が聞こえた

立ち止まって声のする方を見る

大きな建物の地下なのか階段がある

だが、崩れてきた建物で階段があるのかすら怪しい

A組のみんなは僕が止まっていることに気づいていないのか走って行ってしまった

一人で行くのは危険かもしれない

周りを見渡すが誰もいない

今は救助を優先すべきか………

『誰かいますか！？』

「助けて！！こわいよぉ！！」

『今行きますからそこで待っていてください！』

傘を瓦礫の間に挟んで空洞を作る

マントを手で持って細い隙間に体をすり込ませた

何とか中に入ると鼻を啜るような音が響いていた

「ままぁ！！ｸﾞｽｯぅぁあぁぁあああ」

声のする方に行くと蹲りながら5～6歳位の女の子が泣いていた

『遅くなってごめんね』

「ぅぅぅﾋｯｸ怖かったよぉぉ！！」

女の子は僕に勢いよく走って来た

そして僕の足に抱きついている

僕は女の子の頭を撫でて目線を合わせるようにしてしゃがむ

『お名前教えてくれるかな？』

はなちゃんの手を握って言う

冷たい

よくよく見ると髪が湿っている

出血はしていないし……

「ｸﾞｽｯ、奈乃です」

『奈乃ちゃんかぁ。安心していいよ。』

僕は持っていたマントを奈乃ちゃんに被せて抱っこする

奈乃「わっ高い！」

奈乃ちゃんはにっぱっと笑った

あ、可愛い←

僕は階段の方にゆっくりと歩き出した