無個性がヒーローになるまでの物語 II (ページ12)

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62:林間合宿⑦ ページ12

3日目

『こんなところで何してんの？』

洸汰「ぅわ！！」

木の後ろにいた洸汰くんに木の上から声をかけた

ちなみに足を木の枝に引っ掛けてぶら下がってる

上手く着地して洸汰くんの前に立つ

洸汰「な、なんにもしてねぇ…！」

『そっか。なんか飲む？コーラーあるよ』

洸汰「いらない」

『そ？』

あっさりと断られてしまい

ちょっとガッカリした

男の子って難しいね

しかもちょっと性格キツめときた

難しい……

洸汰「なんでヒーローなんかになろうと思ったの」

『んーとね。別になりたいわけじゃないんだよね。でも強いて言うならある人のため…かな』

洸汰「ある人…？」

『そう。』

緑谷くんのアレを殴った時とかお風呂の時は結構荒々しいと思ったんだけど…

思ってたより静かめだ

洸汰「ヒーローなんて」

洸汰くんの声をさえぎって言う

『そういうことを言う理由があるんだろうけど決めつけるのは良くないよ。僕でよければアドバイスをあげよう』

洸汰「は？そんなのいらねぇし！」

『じゃあせいぜい自分らしく生きることだね』

自分気取ってんな〜と思いながら木の枝の上に飛び乗る

『僕もヒーローは嫌いだったよ』

"僕もヒーローは嫌いだよ"

「おいコラ優奈！！」

勝己に呼ばれていることに気づく

僕は番傘をさして日に出た