3話 お友達 ページ3
私は皆の前で個性を使ったことがない。
個性教育の時間はいつも見学だった。
私の個性は広範囲なものが多い。
まだ完全に理解しきっていないカードが出てきたらどうしようもないからだ。
まぁ、だからか個性を持っていると言っているのに使ったことがないので嘘つきと皆に言われていた。
1部の人は違ったけど。
｢あ、Aじゃ〜〜ん！！！おひさー！！｣
｢あ、三奈ちゃん！！ひさしぶりかなぁ？体育の時によく会ってるじゃん！｣
｢あ、そういえば毎回喋ってたわ！じゃあ、制服姿で会うのひさしぶり〜！｣
｢言いくるめ方がすごい｣
談笑しているこの子は芦戸三奈ちゃん。去年同じクラスだった。
私の個性については何か理由があるのだろうと嘘つき呼ばわりしなかった子だ。とてもいい子。
｢あ、そういえば三奈ちゃんって高校何処にするか決めた？｣
｢うん！！私、雄英高校に行く！！！｣
雄英高校、雄英かぁ。
｢そうだよね、ヒーローになる一番の近道は雄英高校だよねぇ｣
｢ん？Aちゃん今なんて言った？｣
あ、声に出てたか。良かった聞こえてなくて捉え方によっては悪く聞こえるからね。
｢ううん！何も！にしても、雄英か！いいじゃん！めっちゃ応援してる！！｣
｢そう言うAちゃんはどうなのー？｣
｢それがまだ決めてなくて…｣
｢そうなの！？てっきり憧れのヒーローがいるって言ってたから一緒の雄英高校に行くのかと！頭もいいしね！！｣
そう、なんだけども…
一応毎日勉強は欠かさずしている。
C問題は9割正解するほどの学力は持っている。
今勉強しているのは高校の問題だし…
｢まだ“家族”と話し合ってなくてさ。｣
三奈ちゃんは私の家庭の事情を知ってる。
｢あ、そっか。ごめん、ぐいぐい言っちゃって…｣
｢ううん、大丈夫。あ、もうこんな時間じゃん。授業始まるからじゃーねー！！｣
｢うん！ばいばーい！｣
確か、もう1人雄英高校行くか行かないか迷ってる人が居たような…？
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作者名：暁 | 作成日時：2019年12月28日 3時
