お祝い ページ10
内田の実家からは日本製の質の良い肌着や、かわいい色違いの子供服をたくさん送ってくれていた。
また日本ならではの細やかな便利グッズを2組ずつ送ってくれた。
これは大変に助かった。
イリーナはカードと豪華な花束を届けてくれた。
お部屋がわっと明るくなった。
「愛してるわカイ、シュテフィ。いい子になりなさいね。フキ、本当によく頑張ったわね」
イリーナは桜子と悠理海に熱烈にキスして、お祝いを言って帰っていった。
イリーナは今は新しい恋人と一緒に暮らしているようだった。
ルイスちゃん家からは奥さんが小さなきれいな布の靴を持ってきてくれた。
実用というより、元気で育つようにという縁起物らしい。
レースの縁飾りがあり、KaiとSteffiの刺繍がしてあった。
「ほんとにおめでとう。かわいい赤ちゃんたちね」
奥さんは慣れた手つきで眠っている双子をなでた。
内田夫妻はとても感謝して歓待した。
モーリンもこの人が紹介してくれたのだ。
どんなに助かっているか、モーリンがいなければどんなに悲惨な状況か、考えるもこわかった。
今度はルイスちゃんにとっておきのドッグフードでも持って行ってあげようかしらと芙希は思った。
真梨香と吉田も来た。
真梨香は体温調節に最適の、ちっちゃなベストを2枚編んできてくれた。
背中に色違いで猫の編み込みがしてあった。
もう少し大きくなって、お座りできるようになって、後ろから並んで写メを撮るところを想像し、みんなで萌えた。
気の利く吉田は芙希にイチオシのハンドクリームを大量に持ってきてくれた。
手荒れは芙希にとって大敵だから、これも本当に助かった。
芙希も内田も、周りの人みんなに感謝していた。
「初めまして、真梨香おばさまよ(笑)
まあ〜こちらがシュテフィさくらこちゃん♪美人さんね、パパにそっくりだわ!
こちらはカイゆりあくん♪芙希の弟さんにちょっと似てないかしら?きっとハンサムになるわ〜(笑)
ねえ、桜子ちゃん抱いてもいい?・・わああ、かわいいい〜〜♪」
真梨香は桜子をしっかり抱いて、話しかけながら歩き回っていた。
吉田は「かわい・・♡」と言ったきり、夢中で悠理海に自分の指を握らせて振っていた。
黒目がちな赤ん坊が自分を見つめてにーっこりと笑うと、もう何もかも忘れて虜になっていた。
内田があんがい人並に世話をしていたが、吉田も世話したくなる気持ちがわかった。
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作者名:夏葉 | 作成日時:2015年1月30日 13時