検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:48,196 hit

訪問 ページ45

「まったくかわいい赤ちゃんだったわ!あんなにきれいな子は見たことがないわ!」

「ほんと、赤ちゃんモデルになれるよな!驚いたよ!」

「あの服ね、ぜんぶ日本から真梨香のご両親が持っていらしたんですってよ」

「ああ〜!想像つくわ〜」



内田夫妻は日帰りでイギリス訪問をしていた。

真梨香の母親は、3ヶ月ほどイギリスに滞在して世話をし、先月帰国していた。

その後は吉田夫婦で優芽ちゃんにかかりきりなのだった。



芙希たちがイギリスの吉田家に着いてさっそく赤ちゃんを見せてもらおうとしたら、吉田に止められた。


「あっ!お二人、悪いけど手洗ってね。しっかり洗ってね。うがいもしてね。鼻もかんできて」

バッチリ消毒までさせられた。


ようやく連れて来られたのは、ベビーディオールのお衣装にくるまった、またとなくかわいい赤ちゃんだった。

スタイやソックスもディオールだった。


「今眠ってるからね」

「わかってるよ(笑)」

「小〜さい声で話して!」


内田は大声で笑い出したかったが、芙希はかしこまって赤ちゃんの顔を覗き込んだ。

そこには真梨香によく似た実にきれいなお姫様がいた。

珍しいほど整った顔立ちの赤ちゃんだった。


「真梨香・・・真梨香に似てる。かわいい!超〜美人だわ!」

芙希は胸がいっぱいになった。

芸大時代から知っている花のような真梨香は、花のような赤ちゃんを産み、おかあさんになったのだ。


「おめでとう。真梨香おめでと。

・・・吉田さん、とってもいい赤ちゃんね。おめでとうございます」

芙希は涙が出てきて困った。


「吉田、おめでとう。良かったなあ、お前に似なくて(笑)」

「ああ何とでも言ってくれ!・・あ、うちのお姫様に触るな!しっしっ!(笑)」


吉田は「優芽ちゃんは絶対に嫁にやらない!」と言い張って、真梨香に笑われていた。






夜遅く家に帰ってモーリンにお土産のアイリッシュリネンをプレゼントした。

賑やかな双子が飛びついてくるのをようやく寝かせ、内田はやっと話ができるようになった。



「一人の子育てって、なんだか楽そうに見えちまったな(笑)」

芙希は実際、今はもう慣れているし、一人なら片手でも世話できそうだった。


「あなたもよく手伝ってくれたしね」

「芙希はよく頑張ったよ!」

「けっこう大ざっぱに育ててます(笑)」

「二入とも元気に育ってくれてありがたいよ」

「優芽ちゃんも・・・どうかお健やかに」



二人は吉田家の幸せを祈った。

作者です→←Birth



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
64人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夏葉 | 作成日時:2015年1月30日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。