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ニュース ページ2

「どうしたっ!芙希――!」



飛んできた内田に抱えられて、芙希は救急車で病院に担ぎ込まれた。

そこで内田夫妻は医師から『おめでた』を告げられた。

内田は椅子から転がり落ちた。




「吉田、ニュースだ!俺んとこ子どもができたぞ!」

「なぬー!そりゃあ良かった!おめでとう!」

「しかもまさかのドッペルパック!」

「ええ!?」

「どうだ!」

「参りました、先輩」

「俺は驚いて腰抜かしたぞ」

「父親の実感は?」

「そんなものまるっきりねえよ!」

「あ〜あ〜」

「そんで、芙希はそのまま入院しちゃった」

「ど、どうしたの?」

「落っことしそうなんで、念のため、子宮の口を縛る手術受けた」

「・・・そうかあ・・・なんか、こわいな」

「女の人は強いぜえ!」

「うんそれなら知ってる!(笑)」

「あ、これ他言無用な」

「わかってる。三角さんみたいに、成田で突然披露?」

「いやいや・・・(笑)」

「くれぐれも、お大事に。芙希さんに心配ばっかかけんじゃねえぞ」

「わかったよ!」




内田は宙に浮いたような気分になっていたが、芙希のおこりんぼぶりは驚くばかりだった。

芙希は自分でもわけのわからない程イライラしていた。

なんかしらないけどがみがみ怒ってばかりいるし、内田が「はいはい・・」と流そうものなら
「聞いてない!」と言ってもっと怒った。


あんなにやさしかったのに、どうしたんだ・・・



内田が途方に暮れていると、ヘバメ(助産婦さん)が慰めてくれた。


「妊婦さんはいろいろ神経質になるものよ。

今おこりんぼってことは、今まで全然そうじゃなかったってことでしょ?

あなたのお子さんを頑張って二人もいっぺんに産んでくれようとしてるのよ。

身体への負担も重いわ・・パパも頑張って。

大丈夫ですとも!産まれるまでに、時間はたっぷりありますからね!(笑)」



パパだって。

俺、パパだって♪

そうか、産まれるまでに、ゆっくりパパになればいいんだな♪♪





産めば女性はママになれる。

だが産まないでママになるのが大変なように、パパはみんな産みもしないでパパにならなければいけない。



内田は優しい人だが、なんにもしないのは確かだ・・・

手を滑らせて赤ん坊を落としたり、割ったり(お皿みたいに)したらどうしよう!

芙希がこころもとなく思っていたのもしょうがなかった。




第一内田の日々の生活はどうなるのだ!

あの人は料理も洗濯も掃除もできない!

ああもう〜〜!

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作者名:夏葉 | 作成日時:2015年1月30日 13時

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