Honey House＿＿【HQ】

Episode３８ ページ38

土曜日


駅で待ち合わせ。


同じ家に住んでるのに待ち合わせする意味があるのか分からないけどね。


『お待たせ』


「そ、そんな待ってねぇ」


緊張してるのかな。


「どっか行きたい場所あるか？」


『あれ？影山が行くとこあるんじゃ…』


「ってか、3年の付き合いなんだから名前で呼べ」


命令形…か。


『いいよ、飛雄。じゃあ私も名前で呼んで』


「…A」


ﾄﾞｷｯ


胸が弾む。


『ん、ショッピング行こ！』


「おう」


男の人とこういうことをするのは初めてだ。


『これ可愛いくない！？』


「ブスじゃね」


素直だから困るんだよね。


『ブサ可愛いのー！』


「買うか？」


『…買うなら可愛いの欲しいかな』


「可愛くねぇのかよ」


…可愛いけどね


『見たらもっといいのあるかもしれないじゃん』


「そうか」


『飛雄、これ付けてみてー！』


猫耳を付けた。


『www…か、かわいいww』


「…そうか？」


『一緒に写真撮ろ』


撮った写真を確認すると


『ふふっ、飛雄…変な顔してる』


「…お前は可愛いな」


『…っ…』


素でそういうこと言っちゃうんだよね。


『帰ろっか。その前に、はいこれ』


「…これ…？」


『やっぱり買いたくなってさ。戻って買ってきたの。今日はすごく楽しかった。ありがとう』


久しぶりに笑えた。


『お揃いにしたの、じゃ帰ろっか』


ガシッ


飛雄に手を握られ、


抱きしめられた。


「お前がンな態度とッから…期待すんだろ」


『飛雄…？…んっ…』


キスをされる。


そんなふうに思われてたなんて知らなかった。


私、そんなに無責任だったんだ、


『…ごめん…なさ…い』

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