Honey House＿＿【HQ】

Episode３７ ページ37

朝


起きると横には及川さんが寝ていた


『はやく起き過ぎた…』


「ん…起きた？おはよう」


『着替えてきます』


立ち上がったがベッドに戻される。


「まだ、俺と一緒にいよ」


後ろから抱きしめられた。


朝から心臓に悪い。


好きじゃない。好きになってはいけない。


この人たちの誰か1人だけを選んではいけないから。


『…学校行かないといけないんで…』


私はそう言って部屋へ戻る。



『はぁ…』


“これでいいの？”


頭の中に響く声


『…私にはこうするしかない』


“それって片想いしてフラれて

他人の愛にすがりついてるだけじゃん。

最低だね”


『うるさい…っ！』


わかってるよ、そんなこと。


私がどんなに最低か。


ｺﾝｺﾝ


『…誰？』


「話がある。開けていいか」


『影山？いいよ』


ドアが開くと影山がいた。


久しぶりに喋ったな。


「あのさ、今週の土曜日ちょっと付き合ってくれねぇ？」


『部活は…？』


「…もうねぇよ。」


あ、そっか。


もう、引退の時期か。


『そう…だったね』


「行けるか？」


『いいよ』


「よかった、ちゃんと空けとけよ。」


影山の表情が明るくなった。



『何するんだろ？』


それだけ、頭に残る。

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