検索窓
今日:5 hit、昨日:8 hit、合計:140,821 hit

Episode20 ページ20




美術室


『ユカ…』


「聞いたよ、大丈夫だった?」


『うん…あとね、好きな人の名前…分かったの。』


「ほー、どんなだったー?」


『川西…太一さん』


「川西…たいち…?」


『どうしたの…?』


「それって…この人、?」


そう言い写真を見せる。


『なんで…まさか…』


「ごめん…ごめん、Aっ…


知らなくてっ!!


私、太一さんと…付き合ってるの…」


胸が苦しくて。


涙を堪える。


『いいんだよ、もう…吹っ切れてるから。気にしないで。…今日は早く上がるね』


私は走って家に帰った。


涙が溢れて止まらない。


家に帰ると


「A?どうしたの…?」


「白布さ…」


「どうも」


そう挨拶した彼は


私の親友の彼氏で私の好きな人、その人だった。


『っなんで…』


「…あ、高2の時にあった…」


なんで…覚えていてくれてるの。


それでも涙が止まることはない。


私は川西さんに近づいて


『…菅原由香をお願いしますねっ』


「…大丈夫?ゆかの親友の子?ゆかがいつも話してたよ。本当にありがとう。これからもよろしくね」


『…っ、はい』


私は涙が流れつつも笑顔で話を聞いた。


「太一、今日はありがとう。じゃあな」


「おう、んじゃなー」


ガチャンッ


扉が閉まる。


溢れ出す涙、腰が抜けるように床に座った。


『…っ…』


「…知ってたの?」


『放課後…知りました。まさか…友達がそうだなんて思わなくて…』


「ごめん…」


白布さんの腕の中にいる私。


『…いいんです…もう…なんか、スッキリしました…っ』


「俺…ほんと悪いことした…ごめん…」


『…もう…っ大丈夫…』


そう言い離れようとしたけど


『…白布さん?』


「まだ、このまま…おねがい」


そう言われるものだから


私も白布さんの背中に手を回す。



久しぶりに心が休まって





胸が痛かったのがちょっと楽になった。

Episode21→←Episode19



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (148 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
295人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

naonao(プロフ) - ものすごくものすごくものすごかったです! (2021年12月4日 19時) (レス) @page50 id: 89bf261545 (このIDを非表示/違反報告)
幸不椿風(プロフ) - 緋さん» はいー(^^) (2016年12月24日 9時) (レス) id: 724eb51f61 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 幸不椿風さん» なるほど、丁寧な回答ありがとうございます。 (2016年12月23日 0時) (レス) id: 25a5e3ca14 (このIDを非表示/違反報告)
幸不椿風(プロフ) - 緋さん» 今のところは決まってませんが、オチがなかったりあったりはあるとだろう思います!まだそこら辺あやふやで( ・_・) (2016年12月22日 23時) (レス) id: 724eb51f61 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初コメです、いきなりですいません。これってどのキャラ落ちとかあるんでしょうか? (2016年12月22日 23時) (レス) id: 25a5e3ca14 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:幸不椿風 | 作成日時:2016年12月14日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。