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●●くん、Aちゃんのことが好きなんだって。
そんなフレーズを片手に収まる程度、何度が聞いたことがある。
そんなことを言われても恋愛初心者の私はどうすればいいのか分からない。
別に相手のことが好きという訳でもない。
彼氏が欲しいと思ったこともない。
ただ決めていたことは、告白されたらちゃんと断ろうということ。
まあ、そんなことは今まで一度もなく、私は人生で一度も告白もされたことないし振ったこともない。
だから今回のは良くいえば新鮮で、どう対処したらいいのか分からない。
昼休みの教室、お弁当を食べ終わり雑談をしているときのこと。
急に教室内がざわざわとものうるさくなり、名前を呼ばれ振り向くと、そこには山本くんが立っていた。
「あなたに告白するんで!放課後、体育館裏に来てください!」
彼が言い切ると周りがヒューと煽り始める。
正直私はだるいと思ったし、行きたくないとも思った。
けど、彼の真剣な表情と緊張しながらも勇気を出して言ってくれたのがよく伝わった。
それが私を体育館裏に行かせようと思わせた。
彼もみんなも、私からの返事を待っているようだったので軽く返事をする。
「え、うん」
こうして私は放課後、体育館裏に行かなければならなくなった。
彼は運動部だが今日は休みらしく、同じ部活のクラスメイトたちが体育館裏が見えるようなところで、こっそりとこちらを見ている。
「来てくれてありがとう」
「ああ、うん」
私が軽くしか返事ができないのは彼の緊張がうつったという訳ではなく、ただ単に男子に対してなんて返事をすればいいのか分からないから。
沈黙が続く。
ただひたすら彼と私との間に緊張が走る。
カップラーメンでも出来るんじゃないかってくらい沈黙が続いたあと、やっと彼が口を開いた。
「もう周りのやつが言ったかも知んないけど」
緊張しているのか、彼はあーと言いながら頬を叩く。
「俺、宮田のことが好きです!つ、つ…………付き合ってください」
人生初めて告白されました。
断ろうと心に決めていたことも、彼の勇気を考えればそんなのサラッと言えなくて、どうすれば良いのか全くわからずさまよっている。
私が「えっと」と口を開いた瞬間、彼が「返事は今じゃなくていい、俺のことを知ってからでいい」と言ってくれた。
その一言に少し気持ちが救われた気分になった。
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袋(プロフ) - 今日読み始めた者です。 本音を言うとですね、最高。すこ。めちゃくちゃドキドキする。ウッヒョーォオオォオオォオオォオオォオオ!って感じです。語彙力なくてすみません!!!! (2020年1月27日 22時) (レス) id: b33350b182 (このIDを非表示/違反報告)
京ちゃん。(プロフ) - 岩舘くんの下の名前は吏音です。李音とよく間違えます。間違ってたらぜひ遠慮なく言ってください (2018年4月30日 10時) (レス) id: 706e95c0fd (このIDを非表示/違反報告)
京ちゃん。(プロフ) - 子月さん» ここまで言われたのは初めてです。ありがとうございます!文章上手に書けるよう頑張りますね (2018年4月24日 20時) (レス) id: 706e95c0fd (このIDを非表示/違反報告)
子月(プロフ) - 甘さもあるけど少し暗い面もあって……私好みの物語です。占ツクのオリジナルだと中々見つからなかったので、この作品を見つけた時、嬉しかったです。続きを楽しみにしていますね! (2018年4月24日 19時) (レス) id: be8a18df5d (このIDを非表示/違反報告)
京ちゃん。(プロフ) - 和花さん» ありがとうございます! (2018年4月5日 13時) (レス) id: 706e95c0fd (このIDを非表示/違反報告)
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