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絵を描くことは特別好きというわけじゃない。









昔からよく絵を描いていた。



授業中は空いたスペースに落書きをして、消すのがもったいなくなって、いつの間にか別の紙を用意してそっちに描いていた。



友だちには上手だと褒められて、自分では上手だと思わなかったけど優越感に浸ってた。


もっと褒めて欲しいという一心でネットにイラストを載せれば上手だと褒められた。



自分には絵を描くこと以外取り柄がなくて、中学高校と美術部に入った。



自由に絵をかけないことがどれだけ苦痛か。


それでも自分はほかに出来ることがないから、絵を描き続けた。

それに、美術部は苦痛だけどどんどん絵が上手くなれる。




上手くなれると言っても、部の中ではそうでもない。


それが何よりも辛い。








それを感じるのも今年でもう終わる。




いつも通り描いた絵を廊下に載せていく。


一年生、二年生、三年生と順に並べてく作業。



自分の絵が上手な人の隣に並ぶ。


その途端自然とため息が出る。




ああ、格が違う。




同じものを描いたはずなのにまるで違うもののように写る。


きっと彼女と私じゃ見える世界が違うんだ。



再びため息が出る。



今すぐ私の作品を破き捨てたい。






両手を作品の上へ添え見つめていると、気づけば私の隣に一人の男子生徒が立っていた。







「何してるんだ?」






大柄でがたいの良さそうな彼は上からそんなことを言った。



私は自分がしようとしていたことを隠すように手の位置を変え、彼から目線をそらした。









「作品を載せてるの」









決して嘘ではない。


再び作業を始める。


自分の作品を載せるとき自然とため息が出た。



ミステリアスな雰囲気のある彼女の作品と、どこか毒々しい私の作品。

次に明るいキラキラとした作品が並び、私の作品の毒々しさが増す。


ああ、この並びはやめてほしい。



決して自分の作品が嫌いなわけじゃない。

けど、私好みでみんなも認める彼女の作品と、光の中で生きているような彼女の作品との間に私の作品を入れないでほしい。


おかげで褒められることも少なくなった。







私が作業を始めても、男子生徒が立ち去ることは無かった。








「綺麗だな」








きっとまた彼女の作品だろうと思い、そうね、と答える。



しかし彼が見ていたのは私の絵だった。









「この今泉Aってやつの絵、好きなんだ」







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京ちゃん。(プロフ) - 無理やり完結した感じになってしまい申し訳ありません (2020年2月22日 21時) (レス) id: 706e95c0fd (このIDを非表示/違反報告)
京ちゃん。(プロフ) - 更新遅くなりすみませんでした (2019年8月20日 21時) (レス) id: 706e95c0fd (このIDを非表示/違反報告)
京ちゃん。(プロフ) - ぴのさん» ありがとうございます!訂正しました (2018年12月5日 12時) (レス) id: 706e95c0fd (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 天童さんの一人称は確か僕じゃなくて俺ですよー (2018年12月4日 22時) (レス) id: 3707f5c19b (このIDを非表示/違反報告)
ふじもん(プロフ) - 京ちゃん。さん» いえいえ!むしろ上から目線申し訳ないです(-_-;) (2018年9月29日 23時) (レス) id: 9aa2f2467a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:京ちゃん。 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年5月29日 20時

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