・ ページ22
跡部さんの手には、私の元にあったキングが握られている。それは私がこの対決に負けたことを意味する。
跡「まず、お前は本気を出していない。なぜなら、お前が勝ったらここに来る必要性がなくなるからだ。
だから無意識のうちに手を抜いていた」
……そんなの、まるで……私が、
貴「跡部さんのことが好きって、言ってるみたいじゃないですか」
跡「だからそう言ってんだろ、あーん？」
……なんでこんなに自信満々なんだこの人。
確かに私の目標は跡部さんにゲームで勝つこと。跡部さんに勝ったらここに来る意味がなくなる。
だから手を抜いていた……って、
貴「ゲームは本気で遊ばないと、意味ないんですよ。……少なくとも私にとっては。
負けたのは跡部さんのせいです」
跡部さんの言葉に動揺してしまったから。
この気持ちを見透かされるなんて、思ってもいなかったから。
……隠せていたと思っていた。
貴「でも負けは負けです。
跡部さんの願いって何ですか？」
跡「……何泣きそうな顔してやがる」
……そんな顔、してるだろうか。
多分、ゲームに負けて悔しいからだ。
きっとそうだ。これが最後だからって悲しいことはない。
・
跡「一生……俺のゲームの相手になれ、A」
……え、
貴「跡部さん……嬉しいです！」
こんなに嬉しい偶然はないだろう。
実は私が勝ったら、跡部さんにこれからもゲームの相手をしてもらえるよう頼もうと思っていたのだ。
つまり、これからも跡部さんとゲームが出来るということ。
跡「"一生"と言ったからには、ゲームだけの相手じゃねーってことは……言わなくても分かんだろ？」
跡部さんがニヤリと笑って近づいて来て、自然な流れで私の唇に優しいキスをした。
貴「え、あ、は？……えぇ！？」
跡「好きだ、A」
跡部さんが愛おしそうにこちらを見つめてくる。
もう一度顔が近づいて来たので、慌てて跡部さんの口を手で覆う。
跡部さんがモゴモゴと何かを言っているが、私はそれどころではない。
口を覆っていた手を掴まれて、壁に追い詰められた。
貴「……明日こそは私が勝ちますからね！」
跡「ハァッーハッハッ！いつでも相手になってやるぜ」
＿＿＿＿また、明日
【跡部景吾ルート[完]】
jealousy【切原赤也】→←The winner is ...【跡部景吾】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 172人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「テニスの王子様」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かるぴん(プロフ) - 面白くて一気読みしました！ (2021年4月20日 19時) (
レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続きが楽しみです！頑張ってください！ (2019年8月28日 20時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
たかみん(プロフ) - 続編来たー！続き楽しみにしてます！ (2019年8月27日 17時) (レス) id: 97bce99ed8 (このIDを非表示/違反報告)
くろかは(プロフ) - 続編おめでとうございます！！まさかの推しルートでワクワクが五割増しです笑笑これからも応援してます！ (2019年8月26日 1時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：そらの | 作成日時：2019年8月24日 21時
