Lv.103 ページ13
季節はあっという間に春。
雅治さん達3年生は卒業してしまう。
切「部室で先輩達の卒業祝いするってよ！ゲームして遅れんなよな」
貴「はいはい」
切原は赤目だ。
私は部室に向かう前に思い出の場所を訪れることにした。
貴「……あ、」
仁「……ほぅ、これは予想外じゃ」
屋上の扉を開けると、空を見上げていた雅治さんが立っていた。
貴「どうしてここに？」
仁「……さぁて、なんでじゃろうな」
貴「ここは雅治さんと初めて出逢った場所。
だから私はここに来たんです」
そう言って私は雅治さんの隣に並んだ。
……こうして隣でこの空を眺めるのも最後。
貴「卒業おめでとうございます」
仁「……ほうか」
貴「あ、それとですね。ずっと今まで返し忘れてたんですが合宿の時に借りたヘアゴムを返そうと思っ＿＿」
仁「今日はやけに饒舌じゃな」
雅治さんが私の頬に手を当てた。
……あれ、私泣いてる……？
貴「人の前で涙は流したくなかったんですけど……」
仁「それだけ俺に気を許してくれたんか？
……俺も、おまんと同じで寂しい。」
雅治さんは私の心の中まで見透かしていたんだ。
……私はとても寂しいと思った。
これから雅治さんが学校生活の一部から切り取られるなんて、考えたこともなかったから。
仁「そのヘアゴムはおまんにやる。また髪型を変える時は使ってくれ」
貴「ありがとうございます」
雅治さんは私のメガネを外して、そしてキスをした。何度も何度もキスをした。
貴「雅治さん、好きです」
仁「俺もじゃき」
もう一度、と思った瞬間……私のスマホが邪魔をする。
切原から電話がかかってきたらしい。イライラしながら電話に出た。
貴「何」
切《なんでそんな機嫌悪ぃんだよ！つーか、お前、さっさと部室来いよ！先輩達待ってるぜ！あ、仁王先輩はいないけど…》
プツリ＿と雅治さんが私のスマホを奪って通話を切った。
仁「……二人でこのままサボらんか？」
貴「それはいい考えですね＿＿だが断る」
ちゃんとテニス部の皆さんに挨拶したいし。
雅治さんが拗ねた様子で私を抱きしめた。
……もうちょっとだけ、このままでいようと思う。
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かるぴん(プロフ) - 面白くて一気読みしました！ (2021年4月20日 19時) (
レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続きが楽しみです！頑張ってください！ (2019年8月28日 20時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
たかみん(プロフ) - 続編来たー！続き楽しみにしてます！ (2019年8月27日 17時) (レス) id: 97bce99ed8 (このIDを非表示/違反報告)
くろかは(プロフ) - 続編おめでとうございます！！まさかの推しルートでワクワクが五割増しです笑笑これからも応援してます！ (2019年8月26日 1時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらの | 作成日時：2019年8月24日 21時
