現実*side you ページ34
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皆に"胡蝶の夢"を話してみたけど、半信半疑だった
普通はそうだよね。
私だって本当は、あれは夢じゃないかって今でも思う。
そうしているうちに学校に戻って一直線に部室に向かう。
部室の扉が少し開いていて、ドキドキしながら覗くと
『精市っ!大丈夫!?』
なんと精市が倒れていた。
手には私のボロボロのジャージを抱きしめながら。
真田くんと柳生くんが精市を保健室に連れて行くらしい。
私は呆然とその場に座り込んでいた。
「……大丈夫か、A」
『あはは……柳くん。心臓が止まるかと思ったよ』
疲れで寝ているようだ、と聞いて安心したものの、確実に私のジャージをみて衝撃を受けたはずだ。
今、そのジャージは私の手の中にある。
『……酷いジャージ。もう着れないから捨てないと。』
大切にしていたもの。
自虐的だけど、あの時の精市と私の関係がこのジャージに現れている。
「精市が目を覚ますのは遅いだろう。準優勝のお祝いは別日にやろうと思う。だからAも今日は帰った方がいい。」
『……うん、そうだね。お世話になった金井病院にも挨拶に行きたいし。今日は帰るね。』
柳くんに手を振って、私は金井総合病院に向かった。
***
『本当にお世話になりました』
一時的にお世話になった金井総合病院。
入院していた時の記憶は全くないけれど。
病院を出て私はスマホをみると、マナーモードにしていたため気づかなかった着信が何件もある。
『……もしもし、柳くん?』
《A!!精市が目を覚ました!
____記憶を取り戻したんだ!!》
え、と思考が止まる。
精市の、
記憶が、
戻った____?
《話を聞かずに大学病院に向かった!今すぐ追ってくれないか!?》
『うん__うん!分かった!!』
緩みそうになる涙腺を抑えて、私は大学病院に向かった。
早く
早く
あなたに逢いたい
伝えたい、この気持ち
______だいすきって
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アマリス(プロフ) - はあー・・・。良かった!プロポーズか・・・。別れなくて良かった。疑ってごめんなさい、幸村君!夢主とお幸せに! (2019年10月31日 15時) (レス) id: 9443474794 (このIDを非表示/違反報告)
アマリス(プロフ) - シリアス過ぎる・・・。幸村と夢主が別れるなんて嫌!!ダメ、別れないで!! (2019年10月30日 9時) (レス) id: 9443474794 (このIDを非表示/違反報告)
Le-ca(プロフ) - スッゴく面白いです!ゆっきーと立海推しだから楽しい!それに、文章力とタイトル、語彙力に話の進め方が最高。シリアスありつつ、硬くなったり飽きないから大好きです!これからも頑張って下さい! (2019年9月29日 20時) (レス) id: 0ae78945e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そらの | 作成日時:2019年9月23日 16時