Lv.40 ページ41
【ゲームカウント0-2／3セット目】
次のサービスは幸村さん。
セットポイント0-3で佐藤さんがサービスをなんとかリターンした。
傍から見たらまぐれで返したようにしか見えないが…
幸村さんの返球は少し上がり、絶好のスマッシュボール。
好機を見逃さない佐藤さん。
演技をやめて全力スマッシュ。
決まった！？
佐「…なにっ！？」
幸村さんは佐藤さんのスマッシュをいとも簡単に返してしまった。
まるで《今までの演技が全てバレていた》かのように。
幸「悪いけど、そんな小細工で俺から点は取れない」
まずい、と直感的に思った。
佐藤さんは多分…
佐「………」
絶望的な顔。本当にイップスにかかってしまった。
貴「…審判。この試合は＿＿」
佐「……待ってくれ。俺はまだ負けてねー」
私の声に佐藤さんが反応した。
まだ耳は生きているらしい。
佐藤さんは耳だけで幸村さんと戦おうとしてる。
練習で"盲目の少年がテニスをするという演技"をしたが1度も形にならなかった。
貴「…分かりました」
佐藤さんを信じるしかない。
そして始まった4セット目。
最終セットになるかもしれない。
触覚も失い、ラケットを構えるのも不格好だ。
貴「…え」
驚くべきことに、佐藤さんは幸村さんの打球を打ち返している。
柳「極限状態に陥ったことで、一時的に耳がよく聞こえるのだろう。これには俺も驚いた」
いつの間にかこちらのベンチに来ていた柳さん。
でも状況は良くない。
いつも以上に耳を酷使し、体力の消耗が激しい。
佐藤さんの足が止まる。体力の限界だ。
サービスは佐藤さんだが、サーブを打つこともままならない。
幸村さんが3点連取。マッチポイントだ。
幸「予想以上に頑張ったようだけど、これで終わりだ。」
佐藤さんがなんとか相手コートにサーブを打つ。
幸村さんが佐藤さんの真横にリターン。
これで試合の決着がついた
……ように見えた。
佐「…はぁ！！」
佐藤さんの力強い打球がコートのギリギリ端に決まった。初めてのポイント。
まるで1セット目の幸村さんのリターンのよう。
幸「どこにそんな力が…！」
佐「＿＿『まだまだだね』」
幸「っ！！」
佐藤さんは地面を2回ラケットで叩いた。
本当にイップスにかかったと思ってたが、それすらも演技であったのだ。
私でも騙された。演劇部いけよ
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Dole(プロフ) - とても面白くて、このあと続編も読ませていただきたいと思いますよ！試合の描写もしっかりしていてとても良きでしたし、夢主のキャラも好きです！ (2022年4月14日 17時) (
レス) @page50 id: c74a900a27 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇百合大好き変態ヒーロー - おもしろい！(*≧∀≦*)更新頑張れー！(*´∇｀*) (2019年4月25日 19時) (レス) id: bc7da5b929 (このIDを非表示/違反報告)
ネル(プロフ) - とても面白いです！更新頑張ってください (2019年4月25日 14時) (レス) id: 7fd2779397 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらの | 作成日時：2019年3月31日 22時
