それは舞い散る桜のように＊4 (ページ10)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:166,471 hit

episode130 ページ10

.

｢ニノ、ごめん！遅くなった…！｣

｢ううん。全然｣

少しだけ微笑んだ二宮を見て、相葉は安心した。

アイス奢れくらいは言われると思ったのに、二宮はいつもとちがってただ黙っている。

何かおかしいと気づいたのは、相葉が行こうと声をかけても反応しなかったから。

｢ニノ…？｣

｢告白された？｣

目線を相葉に向けないまま、二宮は聞いた。

二宮の横顔はとても綺麗だけど、前髪が伸びていて目が見えない。

相葉がまあ、と曖昧に頷けば、やっと二宮は相葉と目を合わせた。

｢付き合えばいいのに｣

｢……は？｣

｢すごく可愛い子だったじゃん。相葉さんが好きそうな｣

(俺が好きそうなって………)

俺が好きなのは、お前なんだよ？

なのに、俺が好きそうとか、お前に分かるの…？

相葉はそうは思っても、二宮に何も言えなかった。

相葉や松本が告白されても、二宮は今まで何も言ってこなかったのに。

急にそんなことを言われて、相葉は驚いた。

そして悲しかった。

どうして、二宮が。

(どうして、ニノがそんなこと言うんだ……)

.