episode158 ページ38
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｢おまえの受験が終わるまでは、何もしない方がいいと思うんだ…｣
それだけで伝わったのか、松本は眉間に皺を寄せる。
それもそうだ。
経った今、欲求不満だのなんだの話していたとこなのだから。
｢もちろん、シないし、キスもなるべく…｣
｢………わかった｣
目を伏せて、何かを堪えるように拳を握る松本。
櫻井は松本を傷つけたのでは、と心配になって手を握った。
｢松本……ごめんな…｣
｢謝んないでよ。傷ついてないよ。俺も、思ってたことだし…｣
｢そうなのか…？｣
｢うん。えっちにハマっちゃって、勉強手につかなくなるの怖いし｣
そんなことを考えていたのか、と思わず櫻井は笑った。
昨夜と同じように、不満そうに口を尖らせる松本。
口を尖らせるのは、松本の癖みたいだ。
｢でも欲求不満で死んじゃうかも｣
キスもあまりできないとなると、本当に櫻井不足で死ぬ、と言う。
あほか、なんて笑いながらどこか嬉しく思っている自分もあほだな、なんて思った。
まだ口を尖らせている松本に、ちゅっと櫻井は口付ける。
｢っ！？｣
｢欲求不満なのはな、おまえだけじゃないんだからな｣
そんな可愛いことを言う櫻井に、今度は松本が口付ける。
ちゅっと短いキスを何回も繰り返されて。
可愛らしいキスも、松本がするとなんだかいやらしい。
｢ん……おま、エロイんだよ…｣
｢俺は絶倫線、あるらしいからね｣
ニヤリと笑った松本。
キスは何回もされるけど、櫻井の言ったことを守って押し倒してこようとはしなかった。
(でも、キスもなるべくしないようにって言ったばかりなのに…)
そうは思ったけど、大型犬のように懐いてキスをくれる松本にそんなこと言えない。
言いたくない、まだキスしていたい。
そう思っているのは、櫻井の方だった。
(俺の方が、案外耐えらんないかもな…)
そんな思いが松本にバレないよう、櫻井はぎゅっと松本の首に抱きついた。
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2015年8月18日 22時
