episode32 ページ32
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ギラギラと照りつける日差しの下。
松本と櫻井は太陽の陽を浴びながらグラウンドの端っこに立っていた。
仏頂面の松本と対照的に、櫻井は楽しそうに生徒たちのサッカーの試合を観戦中。
｢っあ〜、今のは惜しかったな〜！｣
自分のクラスでもないのにそんなに悔しがることがあるのか、と松本は櫻井を見つめて思う。
櫻井が｢な？｣と同意を求めてくるのもしれっと無視。
自分を保健係に仕立て上げたこの男に、少しながらの反抗を見せていたのだ。
｢なんで俺が保健係なんかに…‥‥」
｢そう言うなよ〜。お前しか適任者がいなかったんだって｣
適当なことばっかり…とため息をつく松本を見て、櫻井はケラケラと楽しそうに笑った。
｢だってさ、女子が｢怪我した時に男子に手当てなんかされくな〜い」って言うんだよ。でも｢松本くんになら手当てされたい｣って言うもんだからさ｣
そんなことは理由にならない、と松本は主張したい。
が、HRのときに寝ていた自分も悪いと分かってはいるから大人しく従うだけ。
松本は無意味な反抗で教師に突っかかることはしないのだ。
｢モテ男は大変だね〜｣
｢まーね｣
｢否定しねーのかよ｣
またケラケラと笑う櫻井を見て、松本は何とも言えない気持ちになる。
保健係にされたことなんてどうでもよくなる櫻井の笑顔。
(何なんだろう…。憎めない顔なのかな…)
櫻井に抱く説明できない感情。
松本はまだ自分の感情に気づけていない。
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2015年3月30日 18時
