I wish 03 ページ17
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コトコトと、鍋の中でスープが煮える音がする。
包丁がまな板の上の具材を切り、その具材が沸き立ったスープの中に入る。
冷蔵庫から味噌を取り出して、スプーンで適当に入れたら、松本流味噌汁の完成だった。
昨日、松本が持ち帰った櫻井はまだベッドの中。
すやすやと眠る櫻井に下心丸出しの松本であったが、ひとつ頬をなでただけで手を引っ込めた。
ここで警戒されてしまっては持ち帰った意味がない。
松本はちゃんと、誠実に櫻井とお付き合いをしたいと思っているのだった。
櫻井と松本は同じ学部で、たまに授業で同じグループになったり、飲みの席で一緒になったり、その程度の仲である。
しかし松本は、櫻井のその真面目さと、お茶目さと、なによりもルックスに惹かれたのだ。
すんなり恋に落ちた松本は獲物を狙うライオンにように静かに、ただひたすらそのときを待っていた。
そして昨夜、いつもとなりにいる今井の目を出し抜いて櫻井を連れ去った。
櫻井の顔を見つめていた松本は、味噌汁のことを思い出してキッチンに戻る。
弱火で温めていた味噌汁の火を止めて、1口味見をする。
小さくガッツポーズをしているところに、ガラガラっと横開きのドアが開く。
目を擦りながら、昨夜自分が着せた自分の部屋着を着けている櫻井が現れて、松本はまたガッツポーズをした。
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血濡れ蛍 - ぽっぷ様、お久しぶりです。ぽっぷ様の作品の、ストーリー性や、表現の仕方に感動しながら読みました。特に、『ハッピーエンドにさようならを』を読んで、思わず涙が出てしまいました。今後も期待しています♪ (2021年4月2日 13時) (
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2021年1月11日 0時
