Episode.15 ページ15
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みんなで作業を進めてって、夕飯にピザなんか食べたりして。
大変な作業になると思いきや、ワイワイしていてなんだか学生時代みたいだった。
あっという間に夜は更けて、深夜1時。
みんなうとうとし始め、ほとんどが仮眠をとり始めた。
作業をしているのは俺と松本。
ぺたぺたと2人でシールを貼り続ける。
｢みんな寝ちゃったね｣
｢だな……。朝までに終わるかな｣
｢大丈夫、終わらせよう｣
他愛もない話をしながら、残りの部数を減らしていく。
しんとしたオフィスは、まるで俺と松本2人きりかのように錯覚させる。
｢……翔くんはさ、高校卒業してから今までどうしてたの？｣
｢へ……｣
唐突に松本がそんなことを聞いてきた。
作業の手は止めないまま。
｢翔くん、卒業してからすぐ連絡先も変えたでしょ？同窓会にも来ないし……ずっと気になってたんだ｣
｢あぁ……携帯が壊れちゃって、変えたんだ。ごめんな、何の連絡もせずに。同窓会も、忙しくてなかなか行けなくて……｣
｢ふぅん……そうなんだ｣
連絡先を変えたのは、携帯が壊れたからじゃない。
松本からの連絡を期待するのが嫌だったから。
同窓会に行かなかったのは、松本に会うのが怖かったから。
結婚してたら、子供がいたら、……そんなもしもを想像しては胸痛めて。
それならいっそ、会わなければ、何も知らなければいいのだと思っていた。
それなのに、今2人で徹夜しているのは何事だろうか。
｢松本はどうしてた？卒業してから…｣
｢ふつーだよ。大学行って、就職して、転職して……それだけ｣
｢……なんで前の会社やめてうちなんかに来たの？｣
｢んー……まあ、色々あって｣
松本は少し気まずそうな顔をして、前の会社を辞めた理由を伏せた。
言いたくないことは、聞かないでおこう。
昔のことを話すと、どこか気まずさが漂う俺と松本の関係性。
松本は、俺が靴箱に忍ばせた手紙を見てどう思ったのだろう。
(俺の気持ちに気づいてた……？)
気づいたから、来なかったのかな。
思い出す度ちくちく痛むけど、本人に聞く勇気はないから。
触らぬ神に祟りなし……。
自分の気持ちを打ち消すように、作業に没頭した。
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ぽっぷ(プロフ) - 作者さん» ありがとうございます(՞ ܸ.ˬ.ܸ՞)” スローペースになりますが、どうぞよろしくお願いします。 (12月30日 23時) (
レス) id: f3544ac854 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - またぽっぷ様の作品を拝見できること、大変嬉しく感じます。最近はまた他の作品を一から読み直していて、とても素敵な時間になっています。体調にお気をつけて、更新楽しみにしております。 (12月28日 11時) (レス) id: 0d9c2c70ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2023年12月22日 13時
