Episode.13 ページ13
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｢うあー……頭いてぇ……｣
目が覚めると、案の定頭がガンガンする。
年々お酒には弱くなっていて、必ず二日酔いが訪れる。
はあ、今日は一日動けないな。
ベッドの上でごろごろしていたら、ピンポンとチャイムが鳴る。
インターホンでなく、直接部屋のチャイムを鳴らすのはひとりしかいない。
だるい身体を起こすと同時に、俺が玄関に行くより先に来客人が部屋に入ってくる音がした。
｢翔くんおはよー｣
｢おはよ。早起きだね、智くん｣
寝室から出ると、智くんが鍋に火をかけていた。
家から持ってきた味噌汁を温めるらしい。
｢釣った魚であら汁作ったから翔くんも飲んで｣
｢いいの？ありがとう｣
智くんはたまにふらっと家にやってきて釣った魚を捌いたり、お酒飲んだり、ダラダラしたりする。
俺と智くんは同じマンションのちがう階に住んでいるのだ。
大学を卒業と共に企業して、最初は企業したメンバーと一緒にルームシェアみたいなことしてたんだけど。
会社が軌道に乗り始め、一人辞め、また一人辞め……今ではこうして智くんと2人になった。
同じマンションに暮らす必要はないけれど、なんとなく今でも変わらず一緒にいる。
智くんといると、いつまでも大学生気分だ。
｢おいしー……染みるわ……｣
｢翔くんも料理始めたら？｣
｢無理。米も炊けない｣
｢やばいね。結婚しないとこの先やってけないんじゃない？｣
40が近づいてくると、みんなに結婚について言われてきた。
たしかにこの家事能力の低さに加え、食事は外食か弁当。
健康面でも心配はあるけど、結婚はなかなか厳しい。
｢例の忘れられない人、がいるから結婚しないのか？｣
｢そんなんじゃないよ……、とっくに終わってるし｣
｢ふーん、そっか｣
ベロベロに酔っ払った時に、一度話してしまった高校の時の苦い思い出。
智くんはそれのせいで俺が独身を貫いていると思っているらしい。
それが松本のことだとは気づいていないけど。
｢智くんこそ、結婚した方がいいんじゃない？｣
｢俺はしなーい、これは決定事項｣
｢はは、智くんは独身貴族似合うね｣
｢お互い独身だったら高級老人ホーム入ろうな｣
智くんとまだ見ぬ将来のことを話しながら、この日はダラダラと過ごした。
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ぽっぷ(プロフ) - 作者さん» ありがとうございます(՞ ܸ.ˬ.ܸ՞)” スローペースになりますが、どうぞよろしくお願いします。 (12月30日 23時) (
レス) id: f3544ac854 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - またぽっぷ様の作品を拝見できること、大変嬉しく感じます。最近はまた他の作品を一から読み直していて、とても素敵な時間になっています。体調にお気をつけて、更新楽しみにしております。 (12月28日 11時) (レス) id: 0d9c2c70ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2023年12月22日 13時
