星に願いを【A×N】 (ページ8)

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｢俺はね、俺のことをちゃんと好きでいてくれる人とじゃないとせっクスしたくないよ｣

｢…どうして？｣

｢だって、そんなせっクス虚しいだけだもん

ニノも本当は分かってるでしょ？｣

｢………｣

わからないよ。

だって俺は正しいせっクスなんてしたことない。

初めては乱暴に奪われて、寄ってくる人全員を相手して。

寂しくなれば誰でもいいからと自分から擦り寄って。

好きな人となんてしたことないし、誰も俺のことを好きではなかった。

愛のあるせっクスがどれほどきもちいかとか、どれだけ満たされるかなんて、知らない。

知りたくもない。

知ってしまえばきっと、今までのことを後悔してしまう。

過去の自分を全否定してしまう。

だから俺は本当の愛なんて、せっクスなんて、一生知らなくていい。

せめて自分だけは自分を肯定していたい。

｢…相葉くんはいつだって正しいよね

だけど、俺はそんな正しくなんて生きれないの

まちがってるって分かりながらもやめないの

相葉くんが一生懸命俺を更生しようとしてくれてるのは嬉しいよ

毎日誰かとご飯食べるなんて初めてで、すごく楽しいよ

でもね、俺は真っ直ぐな相葉くんに応えられない

相葉くんはまともすぎて、一緒にいるとたまに苦しくなる｣

相葉くんの無邪気な笑顔とか見ると、胸が苦しくなる。

どうしてこんな人が、俺なんかと。

一緒にいると罪悪感を感じる。

裏腹な心ってやつ。

楽しいけど、寂しい。

嬉しいけど、鬱陶しい。

相葉くんの手が俺の手に触れた。

ビクッとして離れようとするのを許さないかのように強く握られる。

｢ニノ、俺は正しくなんて生きてない

そう見えるのは、ニノが自分のことを卑屈に見ているからだよ

自分はこんななのに周りの人はって

自分と周りはこんなにちがうって、色眼鏡で見てるのはニノの方だ｣

｢…………｣

｢ホテルに行こうとするニノをこうして引き止めるのは、俺が正しい人間だからじゃない

俺が嫌だからやってんの

毎日一緒にいるのは、俺がそうしたいからしてるの

ニノのためじゃない｣

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