episode07 ページ7
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｢むー……よし分かった、ニノの家行こう｣
｢へ？なんで…｣
｢いーから！行くよ！｣
またまた強引に俺の腕を掴んで、会計を済ませてから歩き出す相葉くん。
俺の家どこか覚えてるの？って聞いたら、行きつけのお店の近くだったから覚えてるんだって。
今度そこに連れて行ってくれないかな。
相葉くんの行きつけの店なんて、ちょっと興味がある。
相葉くんに手を引かれながら考えるのはどうでもいいこと。
俺の家に帰って何するんだろう。
えっちでもしてくれるのかな。
ゴムあったっけ。
まだ買い溜めているのが残っていたらいいけど。
相葉くんが俺から鍵を受け取って、玄関を開けた。
ちゃんと靴を揃えているところを見ると、育ちがいいんだろうなって思う。
やっぱり俺とはちがうや。
｢相葉くん、えっちするなら俺お風呂入りたい｣
｢えっちって…しないよ馬鹿｣
まあね、そういうと思っていたけど。
どうして相葉くんは体の目的もなしに俺とこうしていられるんだろう。
どうして俺が男の人とホテルに行くのを止めるんだろう。
お人好しだから、誰にでもそうなのだろうか。
俺が女の子だったら、こんなに優しくしてもらえるのも分かるけど。
相葉くんは下心なしでこんなに優しくするんだ。
｢どうしてえっちしないの？俺とするのいや？｣
｢ちが…ニノが嫌とか、男だからとかじゃないよ？｣
素直に疑問に思ったことを聞けば、相葉くんはあたふたする。
正直、俺のお誘いを断ったのは相葉くんが初めて。
まあどうしてもしたいわけじゃないし、友達を誘ったのも初めてだし。
断られる前提で誘ってはいるけれど。
｢…ニノはさ、俺のことが好き？｣
｢へ………｣
｢俺と付き合いたいとか、キスしたいって思ってる？誰でもいいんじゃない？｣
相葉くんにそう聞かれて、即答できる心。
そうだよ、相葉くんじゃなくたっていい。
その辺をぶらぶらしているお兄さんでもいい。
でも相葉くんのことは好きだよ。
優しくて、かっこいいし。
だからえっちしてもいいって思ってるんだよ、なんて。
素直にいうことはできなくて答えに困っていると、相葉くんはほらね、と言わんばかりの表情。
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2019年3月17日 20時
