episode06 ページ6
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相葉くんは毎日俺のとこに来るようになった。
授業が終わったら校舎がちがうのにわざわざ俺を迎えに来て、一緒に夜ご飯食べようって。
最初は戸惑ったけど、相葉くんは意外と強引で。
俺の頭にヘルメットをかぶせて、バイクの後ろに乗せられてしまえば逃げる事は出来なかった。
もともと受身な俺。
全てのことを誰かに決めてほしいし、強引なのも嫌いじゃない。
だから相葉くんの行動も特に拒否する理由もない。
ただ困るのは、相葉くんと夜ご飯を食べてしまったら他の男の人のところに行けなくなる。
俺はえっちがしたいのに。
だけど相葉くんはずっと俺とおしゃべりをして、逃げ出すスキを与えない。
俺を離したら、俺がすぐ男の人とホテルに行っちゃうって分かってるからだ。
その習慣をやめさせようとしているのは分かった。
お節介だなあ、と思いながらも相葉くんとご飯を食べる今日この頃。
相葉くんと一緒にいるのは楽しい。
サークルでしか会わない仲だったけど、まあまあ仲はいい方だったし。
相葉くんと一緒にいるとただおしゃべりに夢中になれる。一緒にいるときはね。
だけど家に帰ってひとりになると、寂しくなる。
俺の相手してくれるのはおじさんばっかりで、平日の夜中なんて誰も来てくれないだろう。
そろそろ俺も誰かに抱かれたい。
今日ひとりで家に帰ってしまえば、寂しくて死んでしまう。
｢相葉くん、そろそろ｣
｢もう？今日は早くない？｣
｢だって…毎日俺と一緒にいてくれるけど、相葉くんもたまには早く帰りたいでしょ？｣
｢…そんなこと言って、誰かとホテル行く気だ｣
｢あ、バレた｣
｢やっぱり…週に何回もえっちするって普通じゃないからね？｣
もう、わかってるって。
相葉くんが言うことはいつだって正しい。
だけど俺は正しくなんて生きれないの。
相葉くんが俺のことを本当に心配して言ってくれているのは分かる。
だから前みたいに、勝手なこと言わないで、なんて思わないから。
｢そりゃ相葉くんにとってはおかしなことでも俺にとっては大事なの
言ったでしょ、俺は愛がないと死んじゃうって｣
うさぎと同じなんだって、俺は。
いや、そんな可愛いもんじゃないか。
肉食なうさぎなんていないもんね。
羊の皮をかぶった寂しがり屋な狼ってとこ。
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2019年3月17日 20時
