episode49 ページ49
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ぐったりと眠るニノを見つめながら、ニノの体のあちこちにできた傷をなでる。
見知らぬ男たちによってつけられた傷。
ニノの白くて綺麗な肌を汚されたことがとても腹立たしかった。
涙の跡が浮かぶ頬。
「怖かったよね…」
このまま俺が今も眠り続けていたらと思うと。
あのままニノは非情な男たちによって深く傷つけられていただろう。
間に合ってよかったと思う反面、もっと早く駆けつけていればと押し寄せてくる後悔。
ニノを守りたい。
ニノを傷つける要素すべてを取り除きたい。
そう思うのに、力不足な自分に落ち込む。
「────っけほ……」
「…ニノ！！起きた…？」
ニノが咳き込みながら目を覚ました。
心配で覗き込めば、虚ろな目を向けたニノ。
一瞬目が合っただけで、ニノは天井を見つめている。
何を思って何を感じているのか。
ニノは小さい声で少しだけ言葉を発して。
そのままお風呂へと行ってしまった。
俺はニノに言葉をかけられないまま、呆然とするだけだった。
＊＊＊
ニノのことを好きだと自覚した日をはっきりとは覚えていない。
同じサークルの可愛い後輩くらいにしか思ってなくて、松潤とかと大差はなかった。
ただ、気が利くな、とか。
空気をよく読むな、とかは感じていた。
女の子とも仲が良くて、一緒にランチをしているのもよく見かけた。
それなのに彼女は一切いないって言うもんだから、ニノはただモテる人なんだと思ってた。
だけど、あれはいつだったか。
ニノが男の人と2人でホテルから出てくるのを見てしまったあの日。
胸がざわざわして、いてもたっても居られなくて声をかけた。
半ば無理やりニノを引き離して、事情を聞き出して。
ニノの為にと嘘をついて、毎日ご飯に誘ってホテルに行くのを阻止してた。
なんでそんなことをしたのか、今なら理由が分かる。
きっと、ずっと前からニノに惹かれてたんだ。
だからニノが男とホテルに行くのが嫌だった。
一緒にいるうちにどんどん好きになった。
自分だけを見てほしいと思うようになった。
そしてニノも俺を好きだと言ってくれた。
いつも寂しそうに愛を求めるニノを守りたいと強く思った。
────ニノは俺が守る……
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2019年3月17日 20時
