episode48 ページ48
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夢を見た。
相葉くんが遠くに立っていて、俺をじっと見つめている。
俺は相葉くんに会いたくて走って行って。
やっと相葉くんのもとへたどり着く。
よかった、近くにいる。
安心して、相葉くんのとなりに並ぼうとしたら強く押し返されて。
『汚いな、触らないでよ』
蔑むような視線を向けられて、足元から地面が崩れていった。
「────………」
目が覚めた。
覚めてしまった。
なんだ、このままずっと目が覚めなければいいと思っていたのに。
見慣れた天井にいつものベット。
お腹を殴られた感覚が残っていて、少しだけむせる。
「ニノ！！起きた…？」
「…相葉くん」
今にも泣きそうな顔した相葉くん。
眉を下げて、拳をきつく握って。
「…………」
「ニノ大丈夫…？」
相葉くんが顔を覗き込んでくる。
相葉くんの唇の端っこには血が滲んでいた。
殴られたときに傷が出来ちゃったんだ…。
俺なんかのために、相葉くんが相手を殴る必要なんてなかったのに。
相葉くんまで傷を負うことなかったのに。
そもそもあの人たちの言うことは全て正しかった。
別に俺は過去にあの人たちにひどいことをされた訳でもないのに。
せっクスをしてお金を巻き上げていた俺がどうして被害者になんかなれる？
これくらいの天罰は当然の報いなのかもしれない。
相葉くんの手が伸びてくるのが分かって、とっさに体を起こした。
俺に触れたら相葉くんが汚れちゃうような気がして、避けてしまった。
「…お風呂、入ってくる…」
心配そうに相葉くんが見つめている。
きっとなんて声をかけていいか分からないんだ。
脱衣所で服を脱ぐ。
強く押し付けられたせいか、ところのどころに擦り傷ができていた。
俺が汚い証みたいで嫌だった。
(いたい………)
身も心もボロボロ。
過去は流せないし、人生もリセットできない。
汚れが落ちるように、罪や穢れも水で洗い流せてしまえばいいのに。
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2019年3月17日 20時
