episode225 ページ25
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｢これ、お願いします｣
バイト帰りに、少し大人なアクセサリーショップに寄った。
今日は給料日。
毎日シフトを入れてもらってたから、なかなかの金額だった。
お札を数えて、お店の人に渡す。
なんでバイトしてんだっていうのは、これのためだったから。
櫻井へのプレゼント。
前にもらったキーケースが嬉しかったから、俺も何かお返しをしたいと思った。
誕生日はまだまだ先だけど、プレゼントしたくて。
少し背伸びをして櫻井にネックレスを買った。
女の扱いを分かってるだの、経験豊富だの言われるけど。
そんなことは全くなくて。
こんなふうにカッコつけたプレゼントを買うのは初めてのこと。
そんな高いものではないけど、きっとあのキーケースとは釣り合うだろう。
お店から出て、そのまま櫻井の家へと向かう。
バイトを始めてから全然櫻井とは会えてなかったから。
放課後にばいばいするとき、少し寂しそうにしてくれるのが嬉しかった。
一度、我慢できなくて手を握れば、名残惜しそうに離した感覚が忘れられない。
(早く会いたい...)
もうすぐ、櫻井の家の近くの公園が見える。
もうすぐ────
あと2つ角を曲がれば公園ってとこで、人影が見えた。
あれは.........？
背の高い男に抱きしめられている男。
｢────櫻井...？｣
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2017年6月4日 20時
