episode185 ページ25
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｢...松本の匂いが好き...｣
｢へ？｣
｢抱きしめられると、落ち着く...｣
｢そっ......か...｣
櫻井が俺の寝そべってるベッドに乗っかて、同じように俺の横に並んだ。
な、なんだこの展開...。
好きな子と、同じベットで寝てる......。
櫻井にそんな気はないとしても、俺はやばいんだって。
すぐ興奮が形で現れるんだって。
引かれては困る。
背中を向けようとしたら、その前に櫻井に捕まった。
首筋に櫻井の腕の暖かさ。
櫻井の髪が耳にあたってくすぐったい。
(ああ...心地いい...)
やらしい気持ちなんて芽生えないほどの優しさで包まれた気がした。
｢松本に触れた人間だけが...、松本の暖かさを知っていたらいい...｣
｢.........｣
｢松本のこと、ずっと遠くから見てたんだもん...緊張するのは...許して...？｣
｢......うん...｣
愛おしい櫻井を強く抱きしめ返した。
健気で、素直で、照れ屋。
俺を慰めようとしてるの？
そりゃ人に緊張感を与えるのはいい気はしないけど。
櫻井がそんな理由で緊張してんのは可愛い。
ずっと好きだった俺と一緒にいるから？
そんな可愛い理由ある？
細い背中が折れそうなほど強く、腕に力を込める。
｢心臓の音、聞こえる...｣
｢...これは...緊張じゃなくてドキドキしてるから...｣
｢...ん、俺も｣
お互いの心臓の音が聞こえて、余計に昂った。
だけど櫻井は、まるでわんこをあやすみたいによしよしって俺の頭をなでて。
ん......気持ちいけど。
到底そんなにコトにおよぶ雰囲気ではないな。
生殺し状態がしばらく続いて、櫻井の動きが止まったと思ったら、耳元から規則正しい寝息。
｢...まじすか櫻井さん...｣
こんな密着した状態で、下半身もぴったりくっついたままで寝ますか。
なんの拷問だよ...。
寝込みを襲うなんてもってのほかではあるけど、このままの体制ではしかねない。
神様に試されてるのだと思って、櫻井のおでこにキスするだけで我慢した。
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2017年5月5日 19時
