episode163 ページ3
.
今日もヒソヒソと声が聞こえる。
｢櫻井くんあんなイケメンだったんだ...｣
｢しゃべってみたいな〜｣
四方八方から櫻井の話。
イケメンだからなに？近づきたいって？
顔だけでちかづくんじゃねーぞこら。
俺は顔を知る前から好きだったんだ。
他のヤツらに渡してたまるか。
つい最近まで櫻井って呼び捨てだった女子がまんまと猫かぶって櫻井くんって話しかける。
櫻井はそんなこと知るわけもないから、おどおどして。
それがまたかわいい〜なんて女子たちがキャッキャッする。
聞くと、櫻井が通ってた中学は男子校だったらしい。
有名なことみたいでニノに知らなかったの？って驚かれた。
だから女子に免疫がないんだ...。
くそ、可愛いな。
女子たちの格好の餌じゃないか。
｢怖い顔しないのー｣
はい、と渡された野菜ジュース。
俺の前の机にはニノが座っていた。
ニノが買ってくれるなんてめずらしい...。
ありがとうと言って、ストローをさす。
｢...ニノのせいで櫻井が人気者になってしまった｣
｢ふふ、俺のせいね｣
体育祭でメガネをしなくなって以来、櫻井は素顔で学校に来るようになった。
いやなってしまった。
これは実に困ることなのだ。
元々、嫉妬深い俺の嫌な部分を引き立たせてしまうから。
櫻井にメガネに戻せ、なんて思わないけどさ。
素顔は俺だけの前にしてほしい...なんて...。
小さな男。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1227人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2017年5月5日 19時
