episode180 ページ20
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松本の家は俺の家から歩いて行ける距離にあるらしい。
初めて知った。
松本から送られてきた住所をアプリに打ち込んで道をたどる。
方向音痴ではないから、待ち合わせより早めに家に着いてしまうと思ってたのに。
松本は家の前に立って待っていた。
ソワソワして待ってられなかった、って。
かわいい。
｢おじゃまします...｣
｢どーぞ｣
普通の一軒家。
リビングがあってキッチンがあって、2階には松本の部屋。
きちっとした部屋だった。
俺の部屋とえらい違いだ...。
白い本棚には漫画とかCDとか映画のDVDだったりがたくさんあって。
勉強机まで漫画だらけ。
松本らしくて顔がほころぶ。
｢そんな見てもつまんないでしょ｣
｢ううん...楽しい｣
松本が普段どんな生活をしているのか、どんな場所で、何を。
それが少しずつ分かるみたいで楽しい。
松本の中に1歩踏み入れられたみたいな。
そんなワクワク感がある。
まだまだ俺の知らない松本がたくさんあるんだろうな...。
松本はお茶を出してくれて、俺の横にぽすんと座った。
｢いつもは...どこに座ってるの？｣
｢んー大体ここかな。ベッドを背もたれにしてる｣
｢...座っていい...？そこで勉強したい｣
いつも松本がいる場所に座ってみたいと思った。
松本は勉強すんの、とちょっと残念そうな顔をしたけど、席を譲ってくれた。
座ってみれば、ティシュもクーラーのリモコンも全部手の届く範囲にあって。
ぷちズボラな松本が垣間見える。
さあ、気持ちを切り替えて勉強しなきゃ。
こんな空間で勉強できる機会そうそうないんだし、真面目に...、
まじめ...に、...て...あの...
｢ま、松本...？｣
｢んー？｣
｢な、何して...｣
となりにいたはずの松本はいつの間にか俺の後ろに。
後ろっていうか背中にぴったりくっついて、バックハグみたいな......。
松本のあごが俺の肩にぽんっと乗っかって。
耳元に松本の唇。
腕は後ろからお腹に回っていて、逃げられない。
｢勉強はいーじゃん｣
｢だ、だめ...約束がちが...ひゃっ...｣
な、なめ、舐め...
首筋をべろんって...舐められた...。
ねっとりと、味わうみたいに。
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2017年5月5日 19時
