episode87 ページ7
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｢松潤って翔ちゃんのこと好きだよね、絶対そうだよね｣
相葉ちゃんが食い気味で俺らに問いかける。
なぜか興奮して。
人の恋愛を楽しそうに見てるな〜といつも思う。
相葉ちゃんの言うことには俺もニノも同意。
だってどう見たって両思いじゃねーか。
俺のことをよく思っていない気がしていた理由はなんとなく分かっていたけど。
松潤ってこんなに分かりやすい人なのか、とちょっと笑っちゃった。
｢翔ちゃんとくっつくのも時間の問題かな〜｣
｢いや...あの翔くんだから...きっと松潤に好かれてることも気づかないと思う...｣
｢それもそうか...｣
気づかない、というか。
気づいても勘違いだと否定するだろう。
俺のことなんか...って、翔くんは絶対に思う。
翔くんは簡単に言えばネガティブだ。
自分のことを否定的にいつも見ている。
もっと細かく言えば内気で弱気で小心者で自己犠牲心が半端なくて。
人にぶつかられても、自分が謝る。
翔くんってそんな人。
日本人らしいっちゃそうなんだけど。
(いかがなものかな...)
昔はそんなことなかったんだけどな、と言ったところで。
今の翔くんも俺は好きだけどね。
｢じゃあ俺はバスだから｣
バイバイと手を振ろうとしたけど、ニノが俺を引き止めたり
｢...大野さんってなんで毎日時間とお金かけてまで翔ちゃんに会いに来るの...？｣
｢...知りたい？｣
｢だって普通じゃないんだもん｣
普通じゃない、ね。
ニノの言う通りだな。
だけど俺は翔くんのとこに行かなきゃいけないんだよ。
また翔くんが消えちゃわないように。
ひとりで不安にならないように。
｢...翔くんが俺に会いたがるから、かな｣
バイバイ、と2人に手を振った。
どうせ本当のことを伝えないのなら。
理由はそんな適当なものでいいだろう。
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2017年2月17日 18時
