episode119 ページ39
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公園で缶コーヒーをあける。
となりには智くんがいて。
久しぶりに2人きりの放課後。
最近はよく松本が家まで送ってくれることもあったけど。
今日はさらわれるように智くんに腕を掴まれて歩いてきた。
松本は後ろでヤイヤイ言っているのが聞こえたけど、前みたいに智くんに嫉妬するとかはないみたい。
でも正直助かった。
ニノの話を聞いてから、松本といてもあのことばかりチラついて仕方なかったから。
｢最近 翼はどう？｣
｢いつも通り。たまに俺に翔くんのこと聞きに来るようになった｣
あの事件があって以来、全くしゃべらなくなっていた2人が少しでも会話するようになったことは嬉しい。
智くんは相変わらず翼には厳しいみたいだけど。
そんな2人を想像すると少し笑えた。
そんな話をしたら智くんはちょっと眉をひそめる。
｢...翔くん悪い意味で寛大だな｣
｢なにそれ｣
智くんの言葉に思わず笑う。
俺が寛大なんじゃなくて智くんが器が小さいんじゃないの？
だって実際 翼は何にも悪くないじゃん。
そう言っても智くんは口を尖らせるばかり。
翼のことを嫌っている様子は昔からなかったから、きっと俺のことを思いすぎてるんだ智くんは。
俺がいいって言ってんだから智くんも許してあげたらいいのに。
｢能天気だな...。またいつ何が起こるかわかんねえんだぞ｣
｢そーだね。それは恐ろしい｣
｢まあ今の翔くんには松潤っていう強大なバックがついてるからな｣
｢はは、強大って｣
確かに、いけてない生徒が不良と仲良くするといじめられないみたいな。
周りから見たら俺と松本はそんな関係に見えているかもしれない。
松本は学校の華だから、みんなから好かれているし。
嫌いなやつだっているだろうけど誰も手を出そうなんて思いもしない。
そんな人のそばにいる俺はもう安泰だろうけど。
そんな理由で一緒にいると思われたくない。
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2017年2月17日 18時
