ぐりんぴーす。3【M×S】 (ページ23)

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｢翼は少しだけ翔くんに嫉妬してた。いつも学年1位なのは翔くんで、翼は万年2位だったから。ほんの少し...翼は周りにそのことを愚痴ったんだ。そしたら、それを本気にしたヤツらがいて...｣

『翔が勉強できなくなればいいのに』

小さな嫉妬心は、大きな出来事へ。

軽口だったはずの愚痴は、重い罪へ。

｢そいつらが翔くんに襲いかかった。手を縛って目隠しをして...倉庫に閉じ込めたんだ。3日間、ずーっと｣

学校に来ない櫻井を不思議に思って助けに来たのはつばさ自身だった。

暗い倉庫にぐったりと倒れる傷だらけの櫻井を見て、死んでいるのではないかと。

そう思ったらしい。

これで翔くんの過去は終わり、と大野さんはいつもと変わらない淡々とした口調で話し終えた。

｢ーーー殺してやろうかと思った｣

翔くんを酷い目に合わせたつばさを殺したい、と怖かいくらい真顔で大野さんは言う。

同じ気持ちだ、なんて思う俺も怖いだろうか。

櫻井は人と接することに恐怖を感じていて、嫌われないかビクビクして。

櫻井をそんな風にしたやつを、俺はきっと許せない。

ぐすっと、鼻をすする音が聞こえる。

｢...翔ちゃんはどんな気持ちで俺らと一瞬にいるんだろう｣

相葉くんがつぶやいた言葉が切なく響いた。

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