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太陽がちょうど真上に登る頃。
みんなお腹空いたと、パラソルに戻ってきた。
俺は結局、本当にちょっと足を水につけただけで海を断念。
やっぱり暑いのは苦手で、直射日光に当たるのも好きじゃない。
首の辺りからじわじわと汗が吹き出てくる感じがなんとも気持ち悪い。
智くんもいつの間にか戻ってきて、俺のとなりにちょこんと座った。
｢どこ行ってたの？｣
｢魚いないか見てた｣
｢ああ...そういえば好きだったね｣
中学生の夏に、智くんと釣りに行った日を思い出した。
釣りが趣味だって言うからてっきり得意だと思っていたのに、俺より釣れてなくて。
転げ回って笑ったことを思い出した。
(ああ、そうだ...あの年の夏休み...)
俺が夏休みなんて大嫌いになった、あの年だ。
｢翔ちゃんお昼ご飯何食べる？｣
俺の目線に合わせてかがんだ相葉くんが聞いてきた。
海の家にデカデカと張り出されているメニューを見て、焼きそばをお願いした。
｢あ...飲み物は、俺 買ってくるよ｣
ニノと相葉くんがお昼ご飯を買いに行くというから、俺は飲み物でも。
そしたら松本が俺も行くって。
みんなからのオーダーを頭に叩き込んで、財布を持って暑いビーチを2人で歩く。
周りはちびっことか大学生とかばっかりでぶつかりそうだ。
夏の海は人が多くて大変だな。
こんな都会じゃ泳げる海も少なくて、遠くからわざわざ泳ぎに来る人もいるみたいだ。
あの家族連れなんてきっとそう。
まだ2歳にも満たない男の子が、キャラクターものの水着を着てお父さんに抱っこされている。
俺と同じ子を見ていた松本の顔が綻んだ。
松本って、子どもとかすごく可愛がりそうだって思った。
｢ーーーーーしょう...？｣
突然名前を呼ばれて2人同時に振り返る。
そこには黒髪の男が立っていた。
ぎゅんと、喉がしまった気がする。
｢...、つばさ...｣
信じられない、といった顔で俺を見つめるのは翼。
お前も、分かるんだ。
智くんと同じで、俺がこんな姿でも俺だって気づくんだ。
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2017年2月17日 18時
