episode92 ページ12
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｢あれ、翔ちゃんは？｣
13時5分、相葉くんとニノがファミレスにそろった。
時間通りに来ていたのは俺だけで、2人は2〜3分遅れてくるのはいつものこと。
3人そろったけど、櫻井だけいない。
絶対時間通り来る人だと思っていたけど。
案外そうでもないのかな。
とりあえず3人で座って、櫻井を待つ。
｢翔ちゃんって5分前行動とかしそうなのにね｣
｢意外とズボラなんじゃない｣
櫻井を見る限りそんな感じはしないけど...。
一応櫻井に連絡しておこうと携帯を取り出した時、電話が鳴った。
｢っもしもし｣
『もしもし、おれおれ』
詐欺師みたいな口調で電話をかけてきたのは大野さんだった。
櫻井だと思ったんだけど。
｢どうしたの？｣
電話をしてくるなんてほぼ初めてに等しい。
大野さんから電話なんて、すぐ櫻井のことだと勘づく。
『今日翔くんと約束してるだろ？』
｢そうだけど...｣
『翔くんたぶん熱出してるな』
｢へ...｣
大野さんいわく、今日の朝電話をしても出なかったとか、昨日少し鼻声ぽかったとか。
なんでそんなこと...。
なに、毎日電話でもしてんの。
2人ならありえる...。
案外ショックを受けている自分に苦笑い。
なんか、俺 櫻井のこと...
『だから松潤見に行ってくんね？』
｢...ええ！俺が...？｣
驚いている俺に大野さんが笑ったのが電話越しに伝わった。
俺より大野さんが行ったほうがいいんじゃないのか。
櫻井の家も、家の様子も何も知らないけど...。
『松潤が行ったら翔くん喜ぶだろ』
｢....っ.....｣
大野さんの言葉に顔が赤くなるのが分かった。
そうなのかな。
櫻井は喜んでくれるのかな。
いや、喜んでくれなくても俺が行く。
俺以外が櫻井の部屋に上がるなんて嫌だ。
｢翔ちゃんがなんて？｣
｢櫻井熱あるんだって｣
｢えー大変！俺らで行こうか？｣
｢いや...俺ひとりで行ってくる｣
2人がなんとなくニヤッとした気がしたけど。
行ってらっしゃい、と送り出してくれた。
大野さんから送られてきた櫻井の住所を地図アプリに打ち込んで。
風邪に効くものを検索してはコンビニで買い漁った。
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2017年2月17日 18時
