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｢おはよー！｣
｢松潤！また遅刻ギリギリだぞ！｣
｢でもセーフだろ？｣
授業が始まる数分前、勢いよく教室に飛び込んできたのは松本潤。
走ってきたのか、息は切れて少し額に汗もにじんでいる。
学年どころか学校の人気者で、入学式のときから有名人だった。
整いすぎた顔は一見近寄りがたいが、やんちゃで人懐っこくて可愛らしい性格は人気の理由。
誰にでも気さくで、ちょっとバカで、優しくて。
そんな松本に、バカみたいに恋焦がれる俺。
男のくせして、男に恋してる。
それが悪いことだなんて思ってないけど、普通じゃないことは重々理解してる。
1年のころ運良く松本と同じクラスになった俺は、その美しいルックスに惹かれた。
見た目とのギャップ、特に豪快なくしゃみをしそうなのに、くちゅん、という子犬みたいなくしゃみを見たときにグッときたのを覚えている。
人あたり良さそうに見えて、本当は人見知りを隠しているだとか。
一度も関わったことがないのにそんなことを知っている俺は気持ち悪いだろう。
去年1年、ずっと見てきたのだ。
それくらいは知っている。
同じクラスなのだから、1回くらいは話す機会があるだろうと思ってた。
しかし、ついにそんな機会もなく1年生は終わってしまった。
だけど今年も同じクラスになれた。
それだけでいい。
また1年見ていられるのなら。
もう俺は、1年分の運を使い果たしたと言っても過言ではない。
松本が席に着いた。
俺とはかなり離れている。
授業が始まりのチャイムとともに、俺の1日も始まりを告げる。
今日も勉学に励みながら松本を見つめる1日の始まりだ。
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2016年12月9日 20時
