－アネモネ－永瀬廉 NO.2 (ページ6)

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__永瀬くんってめっちゃカッコいいよね

__彼女とかいるのかな～

　
夏休み前の

大学2限の最後の講義前、蘭が休みで

前の方の座席に一人座ると

後ろの方の席から、ざわざわと

ふと、聞こえてきた女子達の会話に

思わず耳を傾ける。

そう。彼は、入学当初からとても人気で。

だから、学科は、違うけど

よく女子達が彼の話題を話しているのは

もう当たり前のようになっていた。

私も、そんな会話を少し聞いては

聞き流すのが日常になっていたのだ。

なのに。今日は、何故か

彼の事を他の女子達が話していると

胸が締め付けられるように痛くなって。

以前のように

その話題を簡単に聞き流す事が

出来ない自分に凄く違和感を覚えた。

そして、その後の講義も全く集中出来なかったのは

この日が初めてだった。

__

『私。どうしちゃったんだろ、、変だな最近』

いつものような当たり前の帰り道のはずなのに。

今までは、一人で帰るなんて事が寂しくなかったのに。

__隣に彼がいない

それだけで、こんなにも胸が痛くなるのは

どうしてなのだろう。

__あれ、、元気なくね？どうした？

大学が終わり、駅からの帰り道

家までの距離を一人歩きながら

そんな事ばかりが頭を駆け巡っていれば

隣から突然聞こえた優しい懐かしい声に足を止める。

声の方に目線を向けると

そこにいたのは

白の半袖を着て、自転車をゆっくり漕ぎながら

私の事を心配そうに見つめる

久しぶりに見た岸くんだった。

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