*9__年下くん ページ9
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「えっ、待って。何でまた隣なん?」
『知らないし、私が聞きたいよ』
すんごく残念そうな顔して
私にしか聞こえない声で
嫌味を吐く雄大に苛立ちが募る。
合コン開始20分席替えタイムなんて言って
盛り上がる彼。
だけど、そんな彼の思いとは裏腹に
私達はある意味離れられない運命みたいで。
隣が私だと分かると
一気に冷めたようになるものだから
こっちまで思わず大きなため息が溢れそうになった。
私は何しにここへ来たのか
しまいには雄大だけじゃなくて
たける、たくみの2人までも
女子達と話す光景を見て
そんな重い空気の中どうしていいか
沈んでいると突然響き渡る救世主の声に
少し心が温かくなった。
__ごめんなさーい
__遅れちゃいましたぁ
__カッコいい先輩連れてきたので
許してください
けれど、パッと顔を上げて声の方に視線を移すと
その場にいる人物に思わず
食べていたスープのスプーンを
落としそうになってしまった。
さっきの状況より遥かに悪化した状況に
引きずり込まれてしまったみたい。
だって何故か。私のコンビニのレジにきた
お姉さんまけてくださぁーいと言う
私を悩ませた問題の
あの高校生が立っていたから。
彼に気づかれないように
目を背けようとするのはすでに遅くて。
__あっ!あの時のお姉さん!!
あっと一瞬にして交わる彼の視線に
先に口を発したのは
ビックリしたかのように
目をまん丸にさせてこちらを指差しながら
大声を上げた彼だった。
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作者名:もなか | 作成日時:2021年10月11日 2時