*4__年下くん ページ4
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「じゃあ。またね。おやすみなさい」
『あっ、はい。おっ!おやすみなさい』
「へへっ、あれ?もしかして、、
今日忙しかったから疲れちゃった?」
『あ、、あー!はい。まぁそんな感じです』
とてつもない優しい笑顔と安心するような
優しい声で彼の口からいきなりそんな心臓に
悪いようなことを言われたものだから
絶妙にひっくり返る言葉と同時に
徐々に頬が熱を帯びていくのが分かって。
以前から何回も彼の口からおやすみという
ワードを聞く機会は沢山あったけれど
未だ一向に慣れないのが現状であり、
動揺がすぐ様顔や言動に現れてしまうのも
毎回である。
忙しくて疲れたのは事実だったけれど
もちろん本当の事なんて言えるわけもなく
彼の話に合わせるように素早くそう頷いた。
目の前には黒色の扉
隣にはもう一つ並ぶように広がる黒色の扉
そう、バイト終わり私達が足を運んで
帰ってきた場所は同じマンションの5階。
__明日も大学頑張ってね
彼から目をぎこちなく逸らせば
ふと頭から降ってきたそんなさりげない
彼の温かい言葉が胸に刺さる。
彼にとってはさほど深い意味はない言葉だけど
私にとっては彼が発する
その一言一言に実は凄く励まされていて
また今日も心がぽっかり温かくなった。
大学入学と同時に一人暮らしをしようと
引っ越してきたこのマンションで
これからの生活で不安だった私に
一筋の光をくれたのは田島さんで。
__あの...大丈夫..ですか?
__て、すみません。さっきご挨拶の時以来で
ほぼ初対面ですよね
___あの..もしよければ何かあったら
いつでも相談して下さい
___一人で抱え込むより、
誰かに話した方が楽になると思うから..
神様みたいな不思議と疲れが
吹き飛んじゃうくらいの
明日も頑張ろうと思わせてくれる
彼の言葉に最初に勇気を貰ったのは
これからの大学生活に不安を抱えては
寝付けずに目が覚めた入学式1日前。
少し肌寒いくらいの風が吹くある夜に
足を踏み入れたマンションのベランダだった。
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作者名:もなか | 作成日時:2021年10月11日 2時