*16__年下くん ページ16
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『いや、だって本当のことじゃん。雄大はモテるんだし、簡単に彼女なんて、、てわっ』
「何それ。ほんまムカつく、意味わからん」
『え、、ちょっと、、雄大どうしたの?』
後ろを振り返れば目の前には見た事ない彼の顔に
思わず動揺していれば
突然一瞬にして強く引っ張られた腕に
一気に近くなった距離
いつものゆるい話し方とは打って変わって
早くなった口調と鋭い瞳から目が逸らせなくて
掴まれた腕を話そうとしてもびくともしなかった。
「今、何で怒ってるんか分からんの?」
『私のさっきの言い方が悪かったからだよね。
ほんとごめん』
「ちょっと合ってるけど違う。全然違う」
『え、、?じゃあ、あのどーゆう』
至近距離にいる彼が首を左右に振る。
怒ってる理由が見当たらず
ただ、彼の瞳とじっと混じり合うばかりで
とうとう限界が来た時
先に口を開いたのは雄大だった。
__それってもう俺にはチャンスないって事?
__諦めろって言ってんの?
__応援するって言ったやん
さっきとは違って
今にでも壊れてしまいそうな切ない瞳と
急に発した彼から信じられない言葉に耳を疑う。
まるで、私に向かって言ってるように聞こえたから。
けれど、最後の一言でこの前彼との話の中で
__実はさぁ。ずーっと好きな人に振り向いて
貰われへんねんけどどうしたらいい?
そんな相談を彼の口から初めて明かされた事を
思い出してハッと息を呑んだ。
自分が無責任な発言をしてしまったのだと。
振り向いて貰えないその苦しみは
1番私が痛いほどよく分かってるじゃないか
それなのに、1人の子を思い続けて頑張る彼に
他で簡単に彼女が作れるなんて
まさに彼がこんなに悲しそうな瞳な理由が
今、始めてよく理解出来て。
気付いたら自分でも無意識だった。
彼と距離が近くになった事を動揺してた私が
彼の腕を自ら引いて引き寄せていたから。
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作者名:もなか | 作成日時:2021年10月11日 2時