*2__年下くん ページ2
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『よし..今日も頑張ろう』
「おはよう。うん。今日も一緒に頑張ろうね」
店内に出る前の通路で立ち止まり
一人小さく吐いた言葉は
ちょうど突然隣から聞こえてきた
今日聞こえるはずのない大好きな人の
安心する声と重なって思わず彼の姿を
見た時は一瞬だけ空いた口が塞がらなかった。
『たっ、田島さん、あれ?何で、今日
シフト入ってなかったですよね?』
「あっ、ごめんね。ビックリさせちゃった?
今日ね。実は、急遽、雄大の代わりに
入る事になって..」
動揺する心を落ち着かせ、ゆっくりと
そう尋ねると彼が今ここにいる理由を
本人の口からの説明で納得する。
『そう言えばまさか..雄大今日の朝方まで
ゲームして遊んでたからか..だからやめなっていったのに..ほんとに何やってんですかね。ごめんなさい。田島さん。ご迷惑おかけして..』
「えっ?ああ..いや、、全然!今日ちょうど何もなかったし。全然気にしないで大丈夫だから。」
雄大新作のゲームほんま面白すぎて今日バイトいけるか分からん
あなたえ、まだゲームやってるの?
雄大やってる。多分この調子やと5時くらいまでずっと終わらんかも
雄大もし。起きられへんかったから今日バイト頼むわ
あなたえ、嘘でしょ。冗談止めてよ。
今すぐ寝て
今日の朝方の2時になったスマホの通知音で目が覚め
結局は、雄大との最後、既読無視になった
LINEのやりとりを思い出しては
ため息をこぼす。
すぐさま田島さんに頭を下げたが
けれど、首を左右に振りながら微笑む
彼のいつもの天使みたいな
優しい笑顔にまた救われてしまった。
どうして、そんなにも優しいのだろうか。
急遽バイトの代わりをやる
なんて迷惑極まりない話だけど
嫌な顔一つしない優しい彼を見て
また胸に秘めた感情が
溢れてはいけないものが
今日も。また一つ二つと募っていく感覚がした。
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作者名:もなか | 作成日時:2021年10月11日 2時