*10.先生と生徒 ページ10
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「今日はですね。3年2組の副担任の田中先生が退職されました為、新しい副担任を発表したいと思います」
中間テスト前の少し暖かくなってきた5月頃
朝の朝礼、校長先生がそんな言葉を
口にした時、思わず息を呑んだ。
その2組のクラスは私のクラスだからだ。
副担任とは結構コミュニケーションを取らずには
いられないから、その副担任は私にとって凄く重要で。
沢山の先生方が円のように並ぶ中
目の前に見えた金髪に思わず視線を逸らす。
まぁ、きっと転勤で来た彼が
すぐに副担任に指名されるなんて事は
ありえないだろう。
1番一緒になりたくない相手を
想像しては、可能性は低いと
話を聞いて平然と振る舞う様子とは裏腹に
本当はざわざわと騒がしい私の心の中を
何とか落ち着かせるように
そう自分に言い聞かせた。
だけど
そんな嫌な予感は
__では、副担任には
三山先生で宜しくお願いします。
私の思いを裏切っては
見事に的中してしまった。
何故だろう。
その言葉を耳にした時
私は彼と離れられない運命なのだろうか。
神様は凄く意地悪だと強く感じて。
だけど同時に
__過去の事はもう引きづるな
__今の彼と向き合いなさいと
そう神様のお告げか何かが
耳元で囁いているような気もすると
またざわざわと騒がしい心は
中々落ち着かせる事が出来なかった。
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作者名:もなか | 作成日時:2021年12月11日 15時