*3.先生と生徒 ページ3
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『うぁ..凄い』
少し開いた扉をさらに開け
屋上に入ると3歩目で足を前に
踏み出すのを止めてしまった。
だって
突然に自分でも感じた事のないくらい
まるで違う世界に迷い込んだかのような
そんな感覚に襲われたから。
呑み込まれそうな程、綺麗な指先とライン。
繊細で華麗で美しい。
でもどこか真のある強さと情熱を含んだような
踊りに一瞬で目が離せなくなった。
いつものクラスでの彼では
想像出来ない程に別人で。
イヤホンをしている両耳から
流れている音楽の中を泳いでは
自らの身体を全て使って。
感情を表現しているそんな感じがした。
__あれ..先生どうしてここに..
あまりにも彼に夢中になっては
屋上に来た本来の意味を忘れそうになっていた私の
耳に届いた彼の低い落ち着いた声が響く。
意識が戻った後、ハッと彼を見れば
声とは裏腹に
ビックリしたように目を見開いた彼が
私をじっと見つめていた。
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作者名:もなか | 作成日時:2021年12月11日 15時