*18.先生と生徒 ページ18
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「何か、本当ごめん。いっぱいしてもらって」
『いいの、ほら寝てないとぶり返すよ』
私は一体をしているのだろう。
気付けば、ふらふらな彼の後をついて
彼の部屋へ上がっている私がいた。
彼とはもう何も関係ないはずなのに
『どう?味いけた?』
「うん。めちゃめちゃ美味しかった、いやぁ、お弁当しか食べてなかったからさ」
私が作ったお粥を食べ終わると
起き上がった体をまたソファに戻す彼
私の問いに笑顔でそう答えるものだから
不覚にも高まる鼓動は止めれなかった。
同時に懐かしい気持ちになった。
話すことが好きな彼と毎日会話をして
幸せを感じていた日々を思い出したから
新しい冷えピタを彼の前髪をかき分けて
額に貼ろうとした時、ソファで横になる彼の瞳と
数秒交わってしまった視線
見上げるような彼から動揺を隠すかのように
視線を私から逸らすと、食べ終わった食器を台所に
持っていこうと腰を上げる。
けれど、向こうへ進めなかったのは
横になる彼からこちらへ伸びた
大きな手が私の腕を掴んだからで
もう一度、彼の方に振り向くと
私を見つめる彼の綺麗な瞳とまた目線が交わる。
何か話があるのかと待っていると
しばらくして、私の予想とはかけ離れた言葉に
混乱する頭
__今、付き合ってる人とか、、いるの?
__て、何変なこと聞いてんだろ、ごめん今のやっぱ忘れて
いつも彼はそうだ。彼はどうも掴めないんだ。
まるでふわふわと浮かぶ雲のように
意味の分からない言葉を発すると
目をぱちくりさせながら頭をがしがしとかいて
私から目を逸らす。
私はどう答えていいのかもわからなくて
何故そんな質問をしてきたのかも意図さえ掴めなくて
少し揺れそうになる私の心を抑えるかのように
きっと彼のことだから私の事をからかってるだけだと
そう思い込む事にした。
だって、彼は私の事などもう好きではないのだから
私達はもう普通の教師同士だから
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作者名:もなか | 作成日時:2021年12月11日 15時