*2.先生と生徒 ページ2
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中3のクラスを受け持った新学期4月。
初日の顔合わせのクラスの中には
あの屋上で見つけた黒マッシュ髪の彼がいて。
名前も知らない彼の名前が
黒田竜平という名前である事を
私は彼の担任になって初めて知った。
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新学期から1ヶ月が経ったある日のお昼休み
購買部に足を運んだ後職員室に戻ろうと
長い廊下を通る。
通りすがりに昼休みのクラス内を初めてじっくりと
覗き込めば初日に比べてもうすでに
グループは男女共にだいぶ出来ているようだった。
だけれど、ひとつだけ気がかりな事は
何故かその中に黒田くんの姿が
見当たらない事で。
お昼休みに教室にいないのは
何故なんだろう。
そんな疑問を何となく感じてしまった。
たまたま今日は違うクラスの子と食べてるとか
用事があってどこかにいったのだろうか。
色んな疑問が頭の中を駆け巡った時
その場にいる生徒に声を掛ければ
黒田くんならいつも1人で屋上で食べてますよ
という声にハッとする。
生徒の言葉は彼がお昼休みに教室にいないのは
今日だけではないという事を意味していた。
やっぱり、まだどこかクラスの皆と
馴染めていない事が関係しているのだろうか。
同時に普段の休み時間、彼が誰の輪にも入らず
1人でいる様子も思い出すと
そう思う方が妥当な気がして。
心配になった私は気付けば
彼がいるであろうあの屋上に向かっていた。
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作者名:もなか | 作成日時:2021年12月11日 15時