*1.先生と生徒 ページ1
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仕事でいっぱいいっぱいになって
耐えられない職員室の空気から
一度逃げだして。
一呼吸つきたくて、ある昼休みに
気付けば足を運んでいた屋上
持ってきた鍵でドアを開けようとした時
鍵でいつもは施錠してあるはずなのに
何故かもうすでにドアが少しだけ
開いていて。
もしかして、他の先生が先客として
いるのだろうか。
そう思いながら足を進めれば
誰もいない屋上の中
クリーム色のコンクリートの塔屋の
はしごの上から
少し垣間見えた紺色のブレザーと
揺れる黒い綺麗な髪の毛
塔屋にもっと近いてよく覗き込んでみれば
三角座りをしながら
お弁当箱を片手にシュークリームを
もう片方の手に持つ欲張りな先客は
先生ではなく、1人の男子生徒で。
そのおかしな状況に合っていないほど
どこか儚さを含むような雰囲気と
''美しい"
そんな言葉が凄くよく似合う彼から
一瞬、魔法がかかったかのように
思わず目が離せなくなった。
何故か見ず知らずの彼の事を
__もっと知りたい
まさに誰かを一目見ただけで
そんな感情に突き動かされたのは
初めてだった。
これが私と君の出会い。
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作者名:もなか | 作成日時:2021年12月11日 15時