▼おさななじみ_57 ページ8
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『着た？？本当に着た、、？』
「も、、だーかーら！
さっきから何回も着たっていってるだろー？」
後ろから呆れたように聞こえてくる声に
何度も念入りに念入りに確認を取る。
さっきからこのやり取り何回したんだよ
と中々振り返らない私にとうとうイライラを
覚えたようなそんな声が耳に入る。
そして突然その声と同時に
掴まれた腕が
そのまま勢いよく後ろに引っ張られて
強引に後ろに振り向く形になってしまった。
後ろを振り返ればホシはしっかり服を着ていて。
ほっと胸をなでおろす。
目が合えば
呆れたような顔をしているのかと
思ったけど。
「はい。ほら！もう、服はちゃんと着てるから。
服着てなかったのはごめん、、
、、て、、あーードライヤーどこ？
このままだといい加減風邪引くだろー」
『あ、ほんとだ。いや私の方こそごめん、、
ドライヤーは、、あっ！洗面台の棚の中！』
全然そんな事はなくて。
口ではあーやこーや言ってるわりに
ふっと少し緩んでいる口元と
申し訳なさそうな下がった眉毛からは
本気で怒っているという感じは
まったく感じられなかったんだ。
『じゃあ一刻も早く髪乾かしてきて！ねっ！』
「ちょっ、押すなって！分かってるっての」
ドライヤーの居場所を伝えると
ホシのまだ濡れた髪の姿を見て
また熱くなる体を隠すかのように
じゃあねと
いつのまにか部屋の外から部屋の中にいたホシの
肩を押して
半端強引に追い出そうとすれば
さっきまで喋っていたホシが突然動きを止めた。
どうやらその原因は
どこか一点を見つめているからだった。
様子のおかしなホシをどうしたものかと
ホシと向かい合わせになってる私からは見えない
その視線の先にくるりと後ろを振り向いて
目を向ければ
そこには
机の上に置かれた携帯が
さっきまでミンギュくんにメールを打っていたまま
の画面のまま開いていた。
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作者名：もなか | 作成日時：2020年3月13日 17時
